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March 30.2021ー最強のばあさん、旅立つー

夕方、いや、夜。


家の電話が鳴った。


出た母が、少しパニック気味。



やばいのかなと思ったら、やはり。




仕事中の妹の職場へ電話して帰宅させ、

家族4人で車で、祖母宅へ向かった。




夜の空いている道、1時間程で到着した。


朝型の生活、自宅療養の私にとって、夜のドライブは久々だった。

鬱調子が悪い時期で、感覚過敏が出ているのか、向かってくる車のヘッドライトが目に刺さるくらい眩しい。

母が運転したが、時々危なかった。

はらはらしながら、おじが介護している、祖母宅に到着。



あら、

他の車が一台。




母が


「あれ、もしかして、、、間に合わなかったかな、、、、、、」





そう。




電話口で、

「今来てもいいし、明日でもいい」

とおじに言われ、悩んで家族で向かってみたが、


私たちが向かう選択をしてからまもなく、

祖母は静かに逝ってしまったようだ。



暴れて苦しんだりすることもなく、

危ないな、というところから、一気に調子を悪化させ、

おじの介護を長引かせることなく、旅立った。



祖母が38のときに亡くした旦那(私の祖父にあたる)と、ようやく再会できるんだね。


もう、苦しくないんだね。


最強の祖母。

最強にならざるを得なかった、祖母の人生。


たくましく生きてきてくれた。



一旦、今は自宅に戻ってきたが、

身近なひとを失う経験がほぼなかった私。


未だに、実感がないのに、鬱が増している。




あんなにがーがー喋って母を困らせた祖母が、

静かに眠っていた。

息をしているようで、動き出しそうで、でも、幻だったらしい。


今、私が鬱病無職で、少し離れた祖母宅へいつでも顔を見に行ける状況だったのは、しあわせだった。


1ヶ月ほどで、2度会いに行けたが、

みるみる弱っていく祖母が、嘘みたいだった。


母を困らせるくらい元気で、頑固で大変だったのに、弱るスピードがあっという間で、気持ちが追いつかなかった。


妹は、弱る姿も一度も見ることなく、祖母の寝顔と対面することになった。





ここからだ。



葬儀など、しばらくばたばたするが、メンタルとか体力とか、

そして、ひと段落してからの、母のメンタルが心配だ。


自分も、いっぱいいっぱいだけど。



せめて、結婚が決まった報告とか、してあげたかったな。

出会いとかそれどころでない、鬱病治らなくて心配かけたまま、亡くなっちゃって。


よく、安心した瞬間逝ってしまうって話は聞くけれど、ひとつも安心させてないのになぁ。


情けない孫だな。



ばあさん、ごめんね。



最強の祖母の孫だから、最強になりたいけれど、なかなか上手くいかなくて。




ごはんが食べられなくなったとき、点滴とかでなんとかならないのか?と思ったりしたけど、肺線維症という病気は、肺の空間がどんどん小さくなっていく一方の病気なので、栄養がとれないから点滴で、とか、呼吸苦しいからがっつりとした酸素のマスクで、とか、そういう措置ではないらしい。

(鼻から酸素は吸っていた)


おじがTVを観ている間に、静かに亡くなったそうだ。


呼吸が苦しそうな場面があり、訪問看護師さんにも話を聞いてもらった上での、その夜の、最期だったらしい。


おじも、急激に弱っていき、毎日毎日対応を変えなければならなかった祖母の介護は、大変だっただろう。

おじがこれ以上大変にならないように、迷惑をかけないように、亡くなっていったのかな。


おじちゃん、ありがとう。


この家にいてくれて。



ばあさん、このひとと過ごせてよかったね。




まだ、

実感はないけれど、


きっと、

私のまだ見ぬおじいちゃんとも再会できるし、代々飼っていた猫たち、犬たちにも会える。

本当に、ひとりで、娘2人、舅姑を面倒みながら、長女に裏切られておじを選ぶ英断を下して、このまでよく乗り切ってきたよ。


こんな最強なひと、私のまわりでは知らない。



その、最強のばあさんの遺伝子、私には入っているはず。

いまのところ、ばあさんから受け継いだなかでは眉毛の薄い遺伝子しか気づけてないけど、きっと、その強さも、私にはあるよね?


最強の守護神になって、おじや母を守ってね。


みててね。



まだまだ、実感がないけど、

葬儀やらなにやら、またすぐいくよ。


またね。





娘やその旦那、孫たちを、

大事に、大事に思ってくれて、ありがとうね。



ばあさんは、かっこよかった。



負けないと思う。



私には、最強のばあさんがいるって思って、生きていくからね。



結婚したら、ひ孫ができたら、報告したい。


今は、ゴールが見えない治療ばかりだけど、乗り越える。

私は、最強のばあさんの、孫だから。



ばあさんを、誇ろう。




ありがとう。





また、対峙したら、心が乱れちゃうかもしれないけど、許してね。

絶対、私は元気になるからね。



弱りながらも最後に、振ってくれた手、忘れない。



じゃあ、またあさってね。




いつか、私のことを、ばあさんや、私の両親が、誇りに思える存在になれますように。

ばあさん、ありがとうね。














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pizza
未熟ですががんばっております。治療費にあてさせていただきたいです。よろしくお願いします。