両親が旅行の計画を進めているのをみて泣いた話
ここのところずっと、
死んだような顔をしていた母。
私の鬱の具合も悪かったけれど、
母も相当だったと思う。
父に対してはもちろん、私に対してもそりが合わないというか、
最近の母の様子を、一言では言えないけれどなんか、どんどん心が弱っていくなぁというのを、自分も精いっぱいながら私は感じていた。
父は父で、定年退職し再雇用で引き続き働いてはいるが、
毎週末母に怒鳴られ、仕事もいっぱいいっぱいで、しかも給料は今までよりビッグダウン。
妻と娘をまだまだ養う立場。
顔にヘルペスを出したりすることもあった。
会社から定年退職祝いの旅行券(換金禁止)をもらっていたのだが、春にはコロナさんの感染状況が全国的に、そして県内でも拡大していて、どこで使えばいいのかという状況。
(旅行にしか使えない券を、こんなコロナ禍に、、、、、、)
函館に行きたいかな、という話もあったが、状況がなかなか安定せず、会社で定められた期限である1年以内に使えるのか、という感じで、
おさまるのを待つか、それとも、、、、、、
と、
家族もみんなで悩んでいた。
旅行に行けない状況で、TVでは観光地の自然や花畑などを続々と紹介している。
「あー、あのときの旅行たのしかったね」
と、私と行った二人旅を思い出しセンチメンタルになったり、
美しい景色が映ると、
「きれいだな、、、、、、行きたいな、、、、、、」
と、まるで叶わぬ夢のように、切なげに言っては、また顔を暗くしている母。
ただ、
最近、規制はかなり緩和され、コロナさんと共に生きていく社会を作ろうとしている日本。
新規感染者はまだ毎日出ているし、個々での対策は引き続き必要だが、「県境を跨いだ移動はしない」などの規制はなくなっている。
母が声をかけ(母が言わないと何もアクションしない父)、
ようやく、父が旅行に向けて再び動き出した。
というか、
母が、ここ最近、
「伊勢神宮に行きたい」
と言っているのだ。
父と母のそりが合わないので、父の一人旅となる予定だったはずなのだが、
「私、お父さんと伊勢神宮に行くってなったら、あなた一緒に行く?」
と、今日の朝母に聞かれた。
(確か、三重県出身のニューヨーク屋敷さんが、移動距離が半端ないって言ってたな、、、、、、ていうか、北東北から三重に3人行くとなったらいくらかかるの⁈)
と、頭の中が目まぐるしく動いたが、
そんなことより、
母が、ついに伊勢神宮に行くのか!!!!
いいじゃん!!!!
行きなよ!!!!
、、、、、、と思ったので、
「いやいやいや、行ってきなよ!!!!」
と強く推した。
そして、TVでラッコを観るたびにかわいいかわいいと言う母に、
「ほら!伊勢神宮に行くなら、ラッコにも会えるよ(鳥羽水族館)!
ふたつとも行った方がいいよ!!!!」
(常々このセットは勧めている)
とにかく、人生は一度きりなんだから、
ふたりで行くことになったのなら、
そして遠い三重県に行く機会があるなら、
絶対行くべきだ。
話が進むうちに、
「わーーーーー!どうしよう!たのしみ!!!!!」
、、、、、、と、
母は、目を輝かせ、顔を、きらきらさせた。
、、、、、、、、、、こんな母、いつぶりだろうか。
久々に見た顔だ、と思い、私ははっとした。
父ちゃん、絶対に行かせてあげてね。
・コロナさんでどこにも行けない。
・母親が亡くなった。
・父(旦那)が退職し、またやりくりが大変だ。
・娘の病気も自分も治らない。
・ニュースでは有名人の自殺、戦争。
母の、ここ2~3年の状況。
コロナさんによって先が見えなくなったのはみんなだけれど、
ひとつも、明るい兆しが見えてこない。
鬱病にとっても、もちろん、
先に何もたのしいことを見いだせないというのは、
本当によくない。
今の場所を離れるということも、本当に大事だ。
父は、
自分からどこかに出かけたいということはまずない、
何もしないで家にいることがいちばん、というひと。
でも、
青森にある”十二湖”という観光地だけは、
すごく気に入っていて。
森林浴ができるのがすごくいいらしい。
伊勢神宮は本当に、緑に囲まれている神聖な場所で、
まさに森林浴がすきな父にもうってつけだ。
母が、父の気分をノせて、いろいろ調べさせているらしい。
いいぞ。
「伊勢神宮を歩けるように、体力つけなきゃ!」
と、はりきる母。
いいぞいいぞ。
母が明るくなると、家が明るくなる。
母にいいことがあると、嬉しい。
母には、しあわせであってほしい。
久々に、あんな生き生きした母の表情を見て、
そして、その後も、旅先の話をしているのを見て、
なんか、
私は、涙が出てきた。
先にたのしみがあるって、
こんなにひとの気分、モチベーションを変える。
生きる目標ができる。
それって、本当に大事。
私と母は、バイオリズムが似ている。
今は鬱病で、お互いの調子を高め合ったり、一緒に落ちたりしていることがあるが、
これは病気になる前からだった。
良くも悪くも、いい時期や悪い時期がかぶる。
それで、母がビッグダウンしたときに助けられなかったのは、
一生忘れられない。
また、生活時間が同じ(朝型)だし、すきなことが似ている(歩く、自然、音楽、歌)ので、一緒に旅行に行くのに困らない。
ともだちだったら最高だった、と思う。
母の気分が上がれば、私もよくなっていける。
これは決して、私の病気が良くなるかは母にかかっている、という意味で言うのではない。
本当に、母と私は反応しあっているのだ。
私が引っ張っていけたらいいのだが、どうしてもだめだ。
母のために何とかしたいと思っても、
私にはできないことがあるのだ。
(しかも結構いっぱい)
それなのに、共感だけ激しくて何もできなくて結局落ち込んで。
そんな毎日。
だから、
「父ちゃん、頼むね。」
と、もう、父に言った。
母のこの願いを叶えられるのは、今、父しかいない。
父にはもちろんだけど、
私、本当に、
母にしあわせになってほしいんだな、っていうのを、
自分で感じた。
これが、ある意味マザコンっていうことなの?
いや、違う?
とりあえず、母にたのしみができたことが、
嬉しい。
本当に、死んだような顔していたので、、、、、、
今朝、母が夢で
”貯金箱が満タンになっている夢”
を観たらしいし、
関係ないけど私は、
久々に髪の分け目を数年前の向きに戻してみたらいいことあった。
きっと、何かがよくなる。
信じるしかない。
タイプミスを無限にしながら今打っている。
寝たいけれど記録しておきたくて。
運気を、少しずつ、みんなで上げていけますように。
未熟ですががんばっております。治療費にあてさせていただきたいです。よろしくお願いします。