この不安定な気持ちはいつまでも続くのです。安定することはありません。
今の自分に満足していない。
現状を変えたい。
それは常に探究心があると言うこと。
欲望は限りがないことを知っていて、なお、欲望を追求する。
「足るを知る」
という言葉があります。
老子が言いたかった「足るを知る」というのは、
身の程をわきまえるという意味ではありません。
この「足るを知る」の原文には、前があって、こんな言葉で始まっています。
知人者智、自知者明。
勝人者有力、自勝者強。
知足者富(これが足るを知る)、強行者有志。
原文ではこの後にこんな言葉で締めくくられています。
「不失其所者久。死而不亡者壽。」
このことを知っているものは、死をも超越できる。
自分を知り、自分に勝ったものが富を得て、志を
遂げていく。
己を知る。
どこかで聞いた事がありませんか。
ソクラテスが言っています。
「汝自身を知れ」
欲望があるから常に満たされない気持ちがある。
それは決して悪いのではなく上を目指す高みに
登りたいという欲求なのだ。
その不安定な気持ちを保ちつつ、
現状を肯定するところに人間の価値、強さが
出てくる。
つまりこの不安定な気持ちは
ずっと続くと言うこと。
それを受け入れることも汝自身を知ることなのです。
ギリシャ語:グノーティ、セアウトン 汝自身を知れ
「マトリックス」でも出てきましたね。