『営業の科学』のさわり
『無敗営業』という強烈な本があります。
かれこれ20年程購読しているメルマガ、
「平成進化論」発行人の鮒谷周史さんが
発売当初に激推ししていたので、
間違いないだろうと即買いしたのを
覚えています。
それから4年半ほど、著者の高橋浩一さんが
更に進化した決定版をお出しになりました。
それが、『営業の科学』です。
まだ全部を読み切ってはいないのですが、
とても再現性の高い、効率的かつ効果的な
営業を実践する上でのバイブルとなる本
だと断言できるでしょう。
私自身はマーケターであり、
マーケティングというのは
「営業を不要にすること」であると
かのドラッカーがズバリ斬り込んでいる
のは有名な話ですから、
なぜ営業本なんて読んでいるの?
という風に感じられるかもしれません。
とはいえ、「営業が不要」というのは
さすがに無理があるというのが、
私の考えていることです。
「営業」は広義の「マーケティング」に
含まれると考える方が、しっくりと
来るのですよね。
さて、『営業の科学』の「さわり」と
タイトルに書きました。
この「さわり」という言葉、
多くの方は「最初の部分」「導入部」
だと解釈される可能性が高そうです。
しかしながら、
「さわり」というのは
「要点」
というのが本来の意味合いなのですね。
ということで、前説が長くなって
しまいましたが、ここから
『営業の科学』の「さわり」を
お届けしましょう。
第1章では、上記の「ガンバリズムの罠」に
ハマらないようにするにはどうするかが
書かれています。
続く第2章では、営業の急所「購買者の本音」
について読み解いていきます。
そして、第3章から第7章までの5つの章を
使って、5つ存在する「購買者の仮面」を
どうやって攻略していくのか、その具体的
アプローチを事細かに解説してくれている
本になっています。
高橋さんは、この本を著すにあたり、
非常に大規模な調査を実施しました。
「営業一万人調査」
「お客様一万人調査」
と呼ばれるものです。
これらの調査を通じて、
徹底的に「購買者の本音」を可視化し、
その本音を上手に引き出しながら
営業上の成果をあげている
「ハイパフォーマー営業」と
「ローパフォーマー営業」との違いを
可視化したのです。
このアプローチ自体が、
非常に「マーケティング」的で、
見事な手腕を発揮されていることに
惚れ惚れします。
モノ・サービスを売ることに携わって
いる人で、自分のスキルを上げたい、
もっと効率よく成果をあげたい、
そう願っている人には必読図書でしょう。