VUCAと断捨離とアンラーニング
『部屋とワイシャツと私』という
平松愛理さんの歌が流行ったのは
いつのことだったか。
今日のタイトルに、流行り言葉を
3つ並べてみたのだが、
名詞をこうして3つ並べると、つい
この歌を思い出し、頭の中にあの
メロディが流れ出す。
それはさておき、昨日紹介した哲学の
「おいしいとこどり」をした本、
『武器になる哲学』にあった内容から
インスパイアされた内容を少々。
クルト・レヴィンという、ドイツ出身の
アメリカ人心理学者が、50人中18番目に
出て来る。
彼は「社会心理学」の創始者と言われ、
20世紀中に最も論文の引用回数が多かった
心理学者と言われているそうだ。
紹介されている彼の理論というのが、
「解凍=混乱=再凍結」モデル
と言われる、個人的および組織的変化を
実現する三段階を表したもの。
ある思考様式や行動様式が定着している
組織を変えていくには、この三段階の
ステップを踏む必要があるというのが
彼の説くところ。
そして、注意すべきが、その始まりが
「解凍」にある点だというのが山口氏の
指摘である。
「解凍」という言葉だとピンと来ない
かもしれないが、要は「終わらせる」
「捨てる」というのが最初に来ている
ということなのだ。
何か新しいことをやるには、まずは
今のやり方を捨てなさい、
ケリをつけておきなさい、
「終わりから始めよう」
というのがこの理論の肝だという。
今のやり方を捨てるのは、現実的に
難しい場合が多いだろう。
心情的にも苦しいものがある。
しかし、VUCA*と言われる、この
混沌とした時代にあって、過去の
延長線上に未来を見つけるのが難しい
こともまた、多くの人が気付いている
ところだと思われる。
*Volatility(不安定さ)
Uncertainty(不確実性)
Complexity(複雑性)
Ambiguity(曖昧さ)
だから、まずは「廃棄」から始める。
いっそのこと「断捨離」してしまえ!
ということである。
別に何でもかんでも捨てろという話を
したいわけではない。
ただ、新しいことを生み出そうと思う
なら、今のやり方に固執することには
弊害が大きすぎる世の中なのだ。
断つ、捨てる、離れる。
この「断捨離」という言葉は、
もう一つ挙げたキーワードである
「アンラーニング」と近しい意味を
持つ。
9月までお世話になっていた、
EMSというスクールでは、この
「アンラーニング」という言葉が
しきりに飛び交っていた。
体に鎧のようにまとわりついている
これまでの学びの数々、
その「学びの鎧」を脱ぎ捨てよう!
そんな意味合いだ。
そうすることで、新しいモノの見方、
新しい知見、新しい地平が見えて
くるのである。
呼吸法では、まず最初は息をフーッと
吐く、吐ききるところからスタート
する。
出して出して出しきって、空っぽに
したところに新鮮な空気を取り入れる
わけだ。
最初は器を空っぽにしない限り、
新鮮なものは取り込めない。
新しいものを取り入れようと思うなら、
まずは解凍、断捨離、アンラーニング、
そこから始めていこう。