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茶色のローソンと部分最適・全体最適

噂には聞いていた、
茶色の看板のコンビニ。
通りがかった箱根路で、
ローソンが茶色になっていて、
あぁ、これか!と
ちょっと嬉しい気分に。

電車で立っていたら、目の前の
座席が空いて座れた時に感じる
ラッキーな気持ちに近いだろうか。
いや、ハーゲンダッツのアイスを
食べたいと思ってスーパーに
行ったら、丁度特売でいつもより
安く買えたときに近いかも。
要は、大騒ぎするほどではない、
でもちょっと嬉しい
「プチハッピー」を感じたと
いうことである。

私の気持ちはさておき、
なぜコンビニが茶色になっている
かといえば、景観を保護する目的
であるというのは恐らく有名な
話であると思われる。
箱根に限らず、京都にもこの手の
コンビニがある。
都市景観を守るための条例や、
国立公園内の景観を守る法律の
規制などによって、
派手な看板を掲出できないように
なっているのだ。

コンビニの通常の看板は、極めて
視認性が高く、よく目立つ。
誰が見ても、コンビニがある!
ということが一目瞭然。
その分、街の景観を一気に
「現実」「日常」に引き戻す
強烈な力を持っている
と言える。

これが、街並みに溶け込むような
色合いになっているのは、
「美しい街づくり」
「観光都市の景観保全」

という観点からは大いに歓迎される
べきだと思う。

私が訪れたことのある数少ない
ヨーロッパの都市の一つ、
パリなどは、景観の保全に極めて
大きな注意を払っている。
今はコロナで大変だろうが、
フランスは何と言っても「超」が
付くほどの観光大国。
街並みの美しさが人を呼ぶことを
十二分に理解し、
そのソフトパワーを保つために
変な建物を建てたり、
妙な看板を出したりといった
ことを厳しく取り締まっているのだ。

個別の店舗にとっては、
自分の店舗が他の店舗より目立つ
方が望ましい。
隣よりおいしい、
隣より見た目がキレイ、
隣よりお安い、、、
日本の観光地にありがちな、
土産物屋同士の仁義なき戦いを
目にすると、その観光地そのものが
急に安っぽく見えてしまうのは
私だけではないだろう。
みんな自分たちだけ儲かればいい、
的な「部分最適」の考え方だと、
そのような結果が待っている。

その観光地自体のソフトパワーを
上げていくために、
言い換えれば「ブランディング」
推進するために、
共通の目的を共有し、
自分たちの強みを見い出し、
その強みに沿って、どんな見た目に
統一していくかを検討し、
「自分たちらしさ」を浸透させて
いくことが必要だ。
そうすれば、「全体最適」へと
近付くことができる。

「ブランド」に必要なのは、
「自分らしさ」と「一貫性」。

お客様に愛される理由、つまりは
自分らしい強みを見い出して、
それをトコトン磨きぬく。
そして、まるで金太郎飴のように、
どこからどう切ってもその強みが
お客様から見えるような一貫性

保ち続ける。

実際に、観光地単位でこういった
ブランディングをやりぬくには、
強いリーダーや優れたプランナーが
必要であり、そう簡単な話ではない
と思われる。
パッと思いつく範囲だと、
うどん県の香川とか、
タオルで名を売った今治とか、
熊本のくまモンのような
大掛かりな話が多い。


しかし、長野県の小布施町とか、
静岡県浜松市の都田(みやこだ)
事例など、探せば少なくない成功例に
出会うことも可能だ。

コロナ自粛が明けて、色々な場所へ
もっと自由に行き来できるように
なったら、是非行きたい都市、街の
リストが溜まってきた。
それらの「全体最適」志向な美しい
場所
を、早く訪れたいものだ。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。