コールセンター、コンタクトセンター
ちょっとした投資資金の引き
落とし目的で、
「銀行口座振替依頼書」を
提出した。
所定のサインまたは印鑑を記載
する欄があり、
「確かこの銀行はサインのはず」
と思い、捺印ではなくサインを
書き付けたのだが、残念なことに
「所定のサインと異なります」
とのことで、依頼書ごと戻ってくる
ハメに。
ご丁寧に、その銀行のフリーダイヤル
まで問い合わせるようにと、番号が
書かれた付箋が貼ってあって、
何て親切!と思い、すぐさまフリー
ダイヤルをコールする。
しかし、親切心で暖まった心が、
みるみるうちに凍り付いていくかの
ような気持ちを味わうことに。
そもそも、銀行のフリーダイヤルは
あれこれ指図が多い。
支店番号を入れろ、
口座番号を入れろ、
暗証番号、
誕生日、
ひとしきり入力させられる。
更に、最初の挨拶がやたらとご丁寧に
長かったり、日本語と英語を交互に
話すのでその分も時間が取られる。
誰でもハッキリと聞き取れるように
という配慮から、比較的ゆっくりと
話すので、これって何とか短縮でき
ないのかな、などと余計なことを
考える。
その上、最近のコロナの影響で、
コールセンターに人が少ないため、
余程緊急の内容以外はチャットで
連絡しろなどと言ってくる。
しょうがないなぁと思って、
チャットでAI相手に用件をつぶやくも、
AIが用件を「理解できません」。
仕方なく自力でQ&Aから用件に
合いそうなものを見つけ出し、
読み進めたところ、当該案件は
「お電話でオペレーターにお尋ね
ください。」
的な回答。
おい!
だったらチャット案内するな!
と言いたくなる気持ちを抑え、
再度コールセンターにかける。
またまた、ひとしきりなが~い
自動音声対応を聞き流し、必要に
応じて数字を入力して、何とか
オペレーターにたどり着く。
それまで、合計20分はかかったで
あろうか。
オペレーターに、自分のサインの
形状を確認したら、ものの10秒で
問題は解決。
サインをし直して、振替依頼書を
無事送り直すことができた。
現在、この辺のコールセンター業務
というのは、かなり高度化している。
電話とEメールとメッセージあるいは
チャットを駆使して、どのコンタクト
ポイントからでも同じ解決方法に
たどり着けるように、ITで高度に
コントロールしているのだ。
昔は、電話か手紙の二択。
経路がシンプルなので対応もシンプル
にまとめられた。
それが、今やコミュニケーションの
ツールが多岐にわたり、
それぞれの長所短所や得意不得意、
更には利用者の便不便があるので、
それらをうまいことまとめて、
「コール」(電話)センターから
「コンタクト」(接触)センターへ
進化しているというわけ。
確かに進化している、便利さを増して
いるのだが、今回経験したように、
客としてフラストレーションを感じる
ポイントは常につきまとう。
これをよくペインポイント(痛点)
などと呼んで、お客様とのコンタクト
履歴の中からできるだけ取り除ける
ようにしよう、などという話をする
ようだ。
今回は、そもそも自分が銀行口座の
サインをちゃんと記憶していなかった
ことが発端なので、あまり偉そうな
ことを言えた口ではない。
それを承知で、やはりお客様との
コンタクト履歴をできるだけストレス
のないものにする努力を続けることが
大切だと銀行には伝えたい。
そして、これはそのまま自分の商売
にも当てはまる教訓なのである。