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B2Bでもブランドは創造できる

「ブランド」というと、やはり一般消費者に
知られているものを皆さん想起されるので、
「知っているブランドを挙げて!」と問えば
「ルイ・ヴィトン」
「エルメス」
「ロレックス」
「フェラーリ」
「アップル」
「トヨタ」
といった具合に、消費者が直接的に接する
ことの多い商品やサービスを扱うもの、
つまりはB2Cのブランドが上位を占める
だろう。

しかし、B2Bのブランドだって、有名に
なることは可能である。
世界中で展開し、大成功を収めた著名な
キャンペーンに「Intel Inside」という
ものがある。
日本では「インテル、入ってる」で
おなじみ。

インテルは、PCの心臓部分といわれる
マイクロプロセッサーのメーカーで
あり、典型的なB2B企業。
通常であれば、PCの一部品に過ぎない
ところを、他のプロセッサーとは違う
のだ!という主張と共に、インテルが
入っているPCを買うべきだと消費者に
意識づけることに成功。
インテルのプロセッサーはブランド化
し、消費者がPCを選ぶ際の重要な基準
の一つになって今に至っている。

インテルは、自分のお客様(PC製造
メーカー)の更に先にいるお客様、
つまり一般消費者に向けて、自らの
商品の性能、強みを上手にアピール
して、PC製造メーカーから
「御社のプロセッサーを使わせて
ください」
と言わせるレベルにまで、自らの
ブランド価値を高めたのである。

これと似たような事例だなぁと、
今日のランチタイムに気が付いた
ので写真を撮ったのが、冒頭の
「林SPF」である。
これは、目黒にあるとんかつ屋、
「こがね」
というところにあった
もの。
このとんかつ屋さんで使っている
仕入先が、千葉県産のブランド豚肉
である「林SPF」の生産者、
林商店肉豚出荷組合なのだ。

ここでいうSPFというのは、日焼け止め
の数値を表す「Sun Protection Factor」
のことではない。
豚肉の場合、「Specific Pathogen Free」
といって、特定の病原菌を排除した、
安全に、安心して食べられる健康な豚
ですよ!という意味合いである。
(上記リンク先に詳しい内容あり。)

通常、とんかつ屋さんは、最終的に
お客様が食べるところのとんかつの
味で勝負する。
揚げ方だったり、衣だったり、その
味を差別化する方法にもいくつか
あるだろうが、素材である肉で差別
化することも勿論可能。
「うちは林SPFの健康で美味な豚肉を
使ってます」という付加価値を付ける
ことで、お客様の満足度が上がれば、
当然有り難い話となる。

林商店は、写真のような木製の立派な
置物に「林SPF」をアピールする内容
を端的に盛り込み、取引先に配布して
いるのだろう。
(配布ではなく販売かもしれない)
消費者に「林SPF」というブランドの
存在を直接知らしめ、その銘柄豚で
あるが故に美味いのだ、ということを
刷り込んでいき、美味さゆえに何度も
リピートしてくれるお客様の心の中に
ブランドを作っていく。

ちなみに、楽天市場において、直接
消費者に豚肉を販売するオンライン
ショップを展開
しており、自宅用だけ
でなく贈答目的にも重宝しそうだ。

インテルほど大々的なやり方ではない
とはいえ、なかなか上手に消費者の
心に入り込んでいるのではないか、
そんな風に感じた次第。
B2Bでも、B2B2Cの最後のCである
消費者にブランドの良さ、強みを
アピールしていくことで、彼らが
中間のBに対して需要を強める。
そこで、最終的に自分たちの需要が
高まる、そういうループが構築可能
という事例であった。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。