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コミュニケーション・ギャップをいかに解消するか

昨日のエントリーで、1 on 1 について
書いた続きを少しばかり。

1 on 1 エバンジェリストの堀井さんは、
様々なワークを取り入れて、
巧みにファシリテーションされて
いたのだが、ワークの中でとても
印象的だったものがある。

それは、

「犬」を書いてください。

というシンプルなワーク。

30秒と指定された短い時間を使い、
みな思い思いに「犬」を書く。

私は、何の疑問も抱くことなく
「犬の絵」を描いた。
絵心がないので、犬に見えるか
微妙なところはさておき、
「絵」を描いたのである。

しかし、誰も「絵」を描けとは
指定していない。
人によって質問内容の受け取り方、
受け止め方が異なっており、中には
「犬」という漢字を書いたり、
「いぬ」とひらがなを書いたり
した人もいたのだ。

部下への指示出しをする際には、
「絵を描いてくれ」
「漢字で書いてくれ」
「ひらがなで書いてくれ」
という部分にまで落とし込まないと、
後で残念な結果になりかねない。

こんな単純なコミュニケーションで
すら、大いなるギャップを生む
源泉となり得る。
そんなことを、極めて端的に腹落ち
させてくれるワークだ。


私自身、最近気になっている
キーワードとして、
「ちゃんと」
というのがある。

仕事をしていて、
「ちゃんとやっておく必要がある」
「ちゃんと計測しておいて」
「ちゃんとした態度をとりなさい!」
というような言い回しを聞く度に、
「ちゃんと」って具体的には
どういうことなんだ?!
というのが非常にモヤモヤするのだ。

部下がそういう言葉遣いをする分には
指導もできる。
直属の上司で、信頼関係ができている
人なら、指摘することも可能だ。

しかし、信頼関係の出来ていない人、
組織的に少し距離の離れている人と
なると、なかなか指摘するチャンスを
つかめなかったりして、自分の中に
モヤモヤだけが残る。

せめて、自分が直接関与する
コミュニケーションにおいては、
「ちゃんと」をちゃんと分解して、
お互いに何をゴールにしているのかが
明確に理解し合えているよう、
心がけることが大切だと思っている。

件のレクチャーでは、堀井さんが
ダニエル・キム(MITの教授)の
「組織の成功循環モデル」
を引いて、1 on 1 の必要性を説いて
くれていた。

この表にある通り、「結果」ばかりを
追い求めると、「バッドサイクル」に
ハマりかねない。
むしろ、同僚や部下との「関係」の質を
まずは高め、お互いに考えている内容、
「思考」の質を高めていく。
そうすれば、「行動」の質も高まるので、
「結果」に良い影響が出て来る。
これを、ダニエルは「グッドサイクル」と
呼ぶのである。

平たく言えば、まずは部下との信頼関係を
高める、ラポールを築くのが先決という
ことだ。
そうすれば、「犬を書いてほしい」と
言ったときに、お互いにどんな成果物を
求めているか共通理解できている状態を
作れる。
理解に不安があるときは、部下の方から
「今回は絵でいいんですか?」
と確認が入り、ギャップは埋まるので
ある。

「結果」はもちろん大切だが、
そこに至るプロセスを大切にしてこそ、
良い「結果」にたどり着ける。
焦って「結果」ばかり求めることの
なきよう、マネジメントをする人間は
よくよく肝に銘じる必要がある。

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ahiraga
己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。