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Business School と Management School

いわゆるMBA、これは何の略かと言えば、
Master of Business Administration
である。
真ん中の「B」はBusinessの「B」ゆえに、
Business School と呼ばれることもある。

これに対して、いわゆるMBAを取得できる
学校でありつつ、自分たちのことを
「Management School」であって、
「Business School」ではない!

というこだわりを持つ学校がある。
クレアモント経営大学院、
通称ドラッカー・スクールである。

このドラッカー・スクールでMBAを
取得し、IT系企業の執行役員を経て
独立。
現在は次世代経営リーダー育成や、
イノベーション・新事業創造等の分野
で活躍中の藤田勝利さんが、自らの
ご経験をふんだんに詰め込んだ著書を
出された。

昨日、著書発刊を記念して、
いつもお世話になっている
渋澤ドラッカー研究会主催の
出版記念講演が開かれたので、
一も二もなく参加。

藤田さんの講演が素晴らしく、
それに続く井坂康志さんとの対談、
質疑応答に至るまで、濃密な2時間。
同書から得られる学びのダイジェスト
版でありつつ、その背後にある豊かな
文脈をもうかがい知ることのできる
貴重なお話の数々だった。

序章の半ばで、同書の7つのテーマを
説明する際に著者が必ず用いるという
図が出てくる。
著作権のことが気になりつつ、しかし
見てもらえば瞬時にその素晴らしさが
理解できると思うので、あえてこちら
にスクショを掲載させていただく。
この図が、マネジメントの全体像を
見事に捉えている
ことに驚く。

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まるで人体のように、見事に各
テーマが然るべき場所に配置
され、
ため息が漏れんばかりだ。
本書を読み進める上では、必ず
この図を念頭において、自分が
どこを読んでいるのか把握しつつ
行くのが正解だと思う。

藤田さんが言う「マネジメント」は、
「経営」という意味合い
だ。
そして、「ビジネス」の概念よりも
より広い射程を持つ。
一般的には、「ビジネス」の方が
より広い意味合いだと思わなくも
ないが、これは定義の問題だろう。

本書に言う「ビジネス」とは、
「商売」「事業」というような
ニュアンス
である。
これに対して「マネジメント」は、
あらゆる「事業」をどのようにして
やり繰りするか、機能させるか
という
「ビジネス」の上位概念として位置
づけられているのである。

ここで、冒頭のドラッカー・スクールの
こだわりの理由が見えてくる。
単に、「事業」のやり方を学ぶだけの
学校ではない。
「事業」をいかに上手くやり繰りし、
機能させていくかを学ぶ学校だ、
そんな矜持があるのだ。

殊に、第1章がセルフ・マネジメントに
割かれていることが象徴しているように、
ドラッカーはマネジメントにおいて
セルフ・コントロールの大切さを
極めて重要視した
ことが知られている。
単に「事業」の作り方、運営方法に
ついて学ぶなら、セルフ・コントロールを
とやかく言う必要はないかもしれない。
しかし、「マネジメント」スクールに
学ぶ以上は、セルフ・コントロールこそ
心臓部に位置する最重要論点、あるいは
議論の起点となるべきポイント
なので
ある。

様々なドラッカー著作と読み比べながら、
あるいは思い出しながら、味わい深く、
しかも分かりやすく、すっとなじむ文体
で読み込める出色の本。
ゴールデンウィークのお供にするのに
絶好のタイミングでの出版。
マネージャー職にある人には、是非
目を通してみて欲しい本である。

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ahiraga
己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。