トップアスリートとレジリエンス
先日、と言っても既に数ヶ月
前のこと、コロナ騒ぎがまだまだ
予断を許さない状況だった時期。
大学の同窓会のようなオンライン
会議の場で、トップアスリート、
具体的には Jリーグの選手たちに
ついて興味深い話を聞いた。
ピッチでベストパフォーマンスを
出すために日々精進している
アスリートたちは、
試合本番などでは無類の強さを
発揮するものの、
今回のコロナ騒動のような
ピッチ外でのアクシデントには
めっぽう弱いのだ、
というのである。
アスリート、殊にトップに近付けば
近付くほど、精神的なタフさ、
強靭さは並大抵のものではない
はずで、今回のような騒動でも
平常心を保って粛々とトレーニングを
積んでいるのではないかと思っていた。
もちろん、そういう強い選手も
いるにはいるはずだが、
思いの外こういう想定外のストレス
には弱いのだという。
あくまでも私の推測に過ぎないが、
本番において最高のパフォーマンスを
追求するためにすべてが最適化された
状況で日々を過ごしているというのは、
「遊びのない」状態なのだろう。
コンマ1ミリを争う世界とか、
コンマ1秒を争う世界というのは、
極々わずかな違い、ズレが、絶望的な
結果を引き寄せかねないわけで、
そういう違い、ズレを許容できない
のが基本姿勢として染み付いている
のかもしれない。
「レジリエンス」(Resilience)
という言葉がある。
元々は材料工学とか物理の分野で
使われていたようだが、今は心理学の
分野でよく使われている。
変化や変動から、元の形に戻ろうと
する「弾力性」、あるいは「復元力」
「回復力」という意味だ。
人間にあてはめると、ストレスや逆境
において凹んでも、元に戻ることの
できる力だということになる。
一言で言えば、「精神的な回復力」と
いったところ。
トップアスリートであれば、この
レジリエンスに関しても非常に
高い潜在力を持っているに違いない
と思っていた。
今回のコロナのように、とても強烈な
ストレスがあっても、それを跳ね返す
だけの強さ。
それが、意外や意外、対応に苦慮して
いるアスリートが多いということで、
記憶に残っていた。
とはいえ、レジリエンスは鍛える
ことが可能。
トップの中から更に一歩抜きんでる
ためには、レジリエンスの能力を
伸ばすことで、今回のコロナのよう
なリスクを含む様々な想定外の出来
事に遭遇しても、パフォーマンスの
質を落とさない実力が付くだろう。
アスリートに限らず、レジリエンスを
鍛えることは、QOLを高めることに
間違いなく役立つ。
遺伝的な要素がなきにしもあらずの
ようだが、基本的には鍛えることが
可能。
先日書いた「ストレスの予防接種」と
いうのも、レジリエンスを鍛える一種の
方法とも言える。
コロナ、コロナでいまだに騒がしい
ところだが、次にまたいつコロナ級
のストレスをもたらす「爆弾」が
姿を現すか、誰も分からない。
それは米中戦争に日本が巻き込まれる
ことかもしれないし、富士山が噴火
することかもしれない。
また、東日本大震災級の地震が再び
列島を襲うということもあり得る。
何があっても、心を病まずに、
しなやかに、たくましく生きていく
レジリエンスを身に付けることに
努めていきたい。
恥ずかしながら、まだ「積読」だが、
レジリエンスを学ぶのにはこちらの
本が良さそうだ。
己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。