マーケットレビュー 2020/7/20
最近は様々な場面で、「コロナウイルスを如何にして食い止めるか」ではなく、「コロナウイルスが広まっても大丈夫なようにどうするか」という議論が交わされている印象があります。
感染症学的観点でいけば、医療崩壊ラインを上昇させるスピードをコロナウイルス感染スピード以上にする。
企業側の観点でいけば、今後もし長引いた時のために、〜しておこう。
とかですかね。社債発行額がかなりの額になっているという報道もあり、企業側もいよいよ事業的にも財務的にも最高のリスク管理体制になってきている感じがあります。
今日は全体的にあまり動きはありませんでした。しかし、JASDAQグロースだけは1%強の上昇になっています。
業種ごとに見ると、空運業の下落が目立っています。この業界は今の情勢ではやはり先の見通しを立てづらく、少しでも不安があると大きく動いてしまう業界ではあると思います。
市場が動いていないと少しつまらなくも思いますが、実は「あまり動いていない」というのも1つの大きな情報だと考えることもできます。
「市場平均が動いていない」というのにもいくつかパターンがあります。ぱっと思いつくだけでも、全体的に全く動いていないパターンや、大きく上昇したものが1つ、それを打ち消すように下がったものが1つ、などです。
最近だとマーケット・ポートフォリオを買うような個人投資家が増えており、ミクロな部分に着目しない人も多いかもしれませんが、市場のトレンドを掴むという意味では市場平均が動かなかったプロセスも明らかにしていく必要があると思います。
<2020/7/17>
<2020/7/20>
直近のボラティリティは下向きになった銘柄が多くなりました。値も先週より明らかに下がっており、直近のボラティリティが3%を超える銘柄は無いようです。
今日のリターンを見ると、日経平均の騰落率(+0.09%)を考えると、全体的にやや動いています。全体的に単純に動かなかったというよりは、動いたものが打ち消しあって日経平均が動かなかったのだと分析できます。中でも目立つのは武田製薬やソフトバンクグループです。リターンの絶対値を取ると、直近のボラティリティを約1%上回る動きになっています。
10日間の平均リターンは全体的に半々くらいの数になりました。
シャープレシオを見てみると、ボラティリティ、平均リターンともにバラツキが大きくなった印象です。通信系の株が同ボラティリティだったり、金融株の平均リターンが0%だったりと、ところどころ面白い箇所はあります。
リターンの関係図を見てみると、10日間の平均リターンと今日のリターンはやや正の相関関係があります。