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ひょっとしてサラリーマンの平日って囚人とあまり変わらないのでは。

「ダニエル・ラドクリフ」と言えば、ハリーポッター。

なんだけど、それ以降にも映画には出ている。俳優だから当たり前だね。
でも、あれだけの超大作で売れてしまったキャラクターのイメージはなかなか抜けない。

特に子役でインパクトを残したような俳優は、その後にイメージの払拭に悩まされているんじゃないかと勝手に想像してしまう。

  • 『ホームアローン』の「マコーレーカルキン」

  • 『レオン』の「ナタリーポートマン」

  • 『シックスセンス』の「ハーレイジョエルオスメント」

  • 『バックトゥーザ・フューチャー』の「マイケルJフォックス」…は子役じゃないか。

などなど、子役や若い時に大ヒットした映画に出ていた俳優さんは、よくも悪くもその役のイメージがついて回る。


冒頭の「ダニエルラドクリフ」は名作中の名作であるハリーポッターの主役であり、どの映画に出ていても初見は確実に「ハリーポッターだ…」と思ってしまうのだ。

きっと本人にしてみれば不本意なんだろうけど、観ている側のぼくらからすると申し訳ないけどそのイメージはなかなか抜けることはない。


ダニエルラドクリフはそんなことを意識してかはわからないが、ハリーポッター以降の出演作を観てみるとノンフィクション映画が多い気がする。

ハリーポッターは王道中の王道、代名詞と言っていいくらいのファンタジー作品で、それとは対極のノンフィクションに出演しているというのは偶然なのだろうか。

もしかしたらハリーポッターとは真逆の作品に出ることによって自身の才能の幅広さをアピールしているのかもしれないね。

それって、見方によってはもがいているようにも映るけど、ものすごく勇気が要ることでもあると思う。
あれだけの大作で結果を残したんだから、そのイメージのままに似たファンタジー作品を演じれば「ハリーポッターみたい」という評価は得られやすい。

だけどそこをあえてノンフィクションというジャンルに飛び込んで行き、挑戦するというところは、ぼくは素直に尊敬する。

実際に、ラドクリフが出演しているノンフィクション映画はぼくはすごく好き。

決して最強のヒーローみたいな役はないけれど、強い信念を持っていて、弱さもあるけど決してあきらめいない。
そういうところはハリーポッターの役とも近いのかもしれない。

でもファンタジー作品とは違い、その少し弱い部分に妙にリアリティがあるのだ。


今日、観終わった彼の映画『プリズン・エスケープ(脱出への10の鍵)』もやはりノンフィクションで、とても好きな作品の一つになった。

アパルトヘイト体制下の南アフリカが舞台になっていて、反政府運動をしていたラドクリフ演じるティム・ジェンキンがアパルトヘイト撤廃を求めたビラを撒いたとして刑務所に収監され、そこから仲間と脱獄するという話。

脱獄の仕方がすごくユニーク。
なんと刑務所の至るところの扉の合鍵を、作業中に気づかれないように集めた木材で作って毎晩一つずつ解除していくというもの。

当然、一度開けた扉は鍵をかけて戻さないと脱獄しようとしたことがバレてしまうので、鍵のかかった扉に来るたびに一度全部の鍵をかけて独房に戻っていた。

途方もない計画だけど、それを何日もかけて繰り返しているという、題材としてはかなり地味な物語。

でもそれがよかった。

観る側としてはやろうとしていることはわかっていて、だけど「バレたら」と思うとそれだけでこっちが緊張してしまう。その地味な努力と信念の強さには頭が下がる思いだ。

そんな、映画としての面白みを感じつつ、繰り返されるのは彼らの囚人としての毎日の生活を見てぼくはふと思った。

朝起きて、それぞれに与えられた仕事をこなし、食事をして寝る。

確かに、いつも看守の目が光っている中での作業なので精神的にはかなりきついとは思う。

だけど、生活そのものは考えてみるとぼくの平日の過ごし方とさほど大差ない。

差があるとすれば、仕事が終わって帰ってきたら食事と飲酒をダラダラしていることくらい。

あとは風呂に入ったり、なんとなくnoteを書いて寝るだけ。他に大したことはしていない。今はめっきりテレビも見なくなった。強いていうならスマホを眺めるくらいだけど、なかったらなかったで別に問題もない。

ぼくは厳密にはサラリーマンではない。

フリーランスのITエンジニアではあるが、仕事の仕方はサラリーマンのそれとほとんど同じ。朝、常駐勤務している会社に通勤して、その会社の定時に合わせて夕方まで勤務。終わったらそこの社員と同じように帰宅…

といった感じで、生活は会社員そのもの。

そんな日々のサイクルは実は囚人と同じなんじゃないか。

あ、別にそれに悲観しているとかじゃなくて、会社員も囚人と同じように会社という組織の存在に縛られて生活しているんだよな。と、漠然と思った次第。


管理されているというのは、束縛なのかもしれないけれど、一方ではあまり余計なことを考える必要がない。
管理された人生に慣れてしまっている人間は、自由な時間を与えられると逆にその時間の使い方に戸惑ってしまって何もできなくなる。

その点、始業と終業の時間がある程度決まっていて生活のリズムが作られていれば、その通りに生きていれば少なくともその間は食べていける。

もちろん刑務所に入れば、もっと辛いことなんてたくさんあるんだとは思う。

だけど囚人でも元々は普通に社会で生活していた人が大半だ。

自分が生きている間に囚人にならないなんて保証はどこにもない。
『プリズン・エスケープ(脱出への10の鍵)』を見ていると、そんな主題とはあまり関係がなさそうなことに気を取られてしまったのも事実。

毎日を規則正しく生活している彼らを見ていて妙な親近感を抱いてしまったぼくは、やっぱりちょっと変わってるのかな?


あまり本編とは関係ない話ばかりだったけど、ストーリーにしても、ダニエルラドクリフの演技にしてもオススメです。Amazon Prime会員であれば、今は無料で見れます。

よかったらどうぞ。


じゃあ、またね。


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