蛯原テトラ

宮崎県、日南市在住です。 短編小説やショートショートを書いています。

蛯原テトラ

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    書いた日記をここにまとめています。

  • 今夜、星を穿ちに行こう

    星降る夏の夜、僕は幼馴染とナナと一緒に村の夏祭りの縁日へと向かった。それはナナと二人で「やりたいことリスト」に記された最後の一つの項目をクリアする為だった……。淡い初恋と、脈々と受け継がれる命。それらを守り続けるものを描いた青春小説です。

  • 400字小説

    400字で完結するショートショートを纏めています。 すぐ読めるものばかりですので、ちょっとつまみたい時におすすめです。

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蛯原テトラのプロフィール

蛯原テトラ(えびはらてとら) 宮崎県在住の小説書き。 短編小説を中心に、日々様々なジャンルで執筆中です。 各公募や、小説投稿サイトのエブリスタを中心に活動しています。 年に一度、文学フリマの同人誌即売会に参加しております。 ▼公募受賞歴 ●2022年ジャンプ小説新人賞 銀賞  『女幹部の罪深ひとりごはん』(※エビハラ名義)  ジャンプ小説新人賞2022 最終結果発表|JUMP j BOOKS|集英社 (shueisha.co.jp) ●第1回ちくま800字文学賞 佳作

    • 20241018 創作関連の日記が続いたけれど、創作ばかりをして生きているわけでもないので、日常生活の事でも書こうかと思ったが、悲しいことにトピックがない。でも、これくらい単調な生活じゃないと、だぶんキャパシティを超える

       どうも、三角食べが出来ない蛯原テトラです。  三角食べ、ご存じでしょうか。  学校給食で、主食、おかず、汁物をそれぞれバランスよく口に運んで行って、ちょうど同じくらいのタイミングで全てを食べ終わる、というアレ。  問答無用で指導されたあの食事法に何の意味があったのかは分かりませんが、蛯原は全く三角食べができませんでした。  米が大好きなせいか、ごはんとおかずが同じトレイの上に存在していると、確実にごはんの方が先に底をついてしまいます。いかに大盛りにしようと、特盛りにし

      • 20240924 自作の短編『空から降る数多の首』が【クビコン】特別審査員賞を受賞!あれ??発表されてからもう一週間以上たってるぞ!?? 報告遅れてすみません!! 色々と立て込んでました!!

         こんにちは、蛯原テトラです。  この度、HelveticaBooksさん主催の第一回HelveticaBooks短編小説賞、通称【クビコン】にて、蛯原の書いた『空から降る数多の首』が、特別審査員賞をいただくことができました!!  わーい!!!!  発表された結果と各作品への選評は、HelveticaBooksしのき美緒さんのページからご覧ください。  公募の段階では、受賞作をまとめて電子書籍化する、ということだけ知らされていたのですが、どうやら紙書籍化に向けても動き出し

        • 20240910 文学フリマ大阪12お疲れさまでした!サークル海老書房として頑張り倒した一日。作りたい気持ちと売りたい気持ち、両方大切だけど、自分のスタンスはブラさず進んでいきたいよね

           こんにちは、蛯原テトラです!  令和6年9月8日、大阪天満橋のOMMホールを会場に、文学フリマ大阪12が開催されました!  蛯原も、サークル「海老書房」として、出店させていただきました。  職場に3連休を申請した代償で、直前にはハードな連勤が続き、前日は日向坂46のライブに参戦していたこともあって(この件に関してはまた別の記事で報告します……)体力的にはかなりしんどい行程となりましたが、なんとか最後まで走り切ることができました!  この記事では、文学フリマ大阪12に参

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        • 20241018 創作関連の日記が続いたけれど、創作ばかりをして生きているわけでもないので、日常生活の事でも書こうかと思ったが、悲しいことにトピックがない。でも、これくらい単調な生活じゃないと、だぶんキャパシティを超える

        • 20240924 自作の短編『空から降る数多の首』が【クビコン】特別審査員賞を受賞!あれ??発表されてからもう一週間以上たってるぞ!?? 報告遅れてすみません!! 色々と立て込んでました!!

        • 20240910 文学フリマ大阪12お疲れさまでした!サークル海老書房として頑張り倒した一日。作りたい気持ちと売りたい気持ち、両方大切だけど、自分のスタンスはブラさず進んでいきたいよね

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        • 日記倉庫
          7本
        • 今夜、星を穿ちに行こう
          5本
        • 400字小説
          28本

        記事

          20240830 出るぞ新刊!呼べよ、嵐! 蛯原テトラの初長編小説「月鱗のナツキ」は、文学フリマ大阪12で初お披露目だああああ!!一冊352ページ!厚ういッ!!説明不要ッ!!いや、説明は必要なので、ここでやります。

          どうも、台風10号が通り過ぎた後の宮崎県からお送りします。蛯原です。 タイトルにあるように、自費出版で本を出します! わー、ぱちぱち!! 普段は短編の公募に挑戦していることが多い蛯原ですが、今回の「月鱗のナツキ」は16万字、352ページの長編となっております! 自分で言うのもなんですが、気合いの入った一冊となっております…! 世知辛い話、売れないと大赤字となってしまいますので、少しでも手に取っていただけるように、ここで今作のセールスポイントを紹介しておきます! セールス

          20240830 出るぞ新刊!呼べよ、嵐! 蛯原テトラの初長編小説「月鱗のナツキ」は、文学フリマ大阪12で初お披露目だああああ!!一冊352ページ!厚ういッ!!説明不要ッ!!いや、説明は必要なので、ここでやります。

          20240815 明日くたばるかもしれない、だから今すぐ振り絞るuuuuただ伝わるものならば僕に後悔はなaaaaい、と言えるほどに表現しきれているだろうか、僕は、君は。まだまだ書かんといかんのやないだろうか。

           一週間ほど前にデカい地震を経験いたしました、どうも蛯原です。  僕が住んでいる宮崎県日南市は震度6弱の揺れ。自宅は木造アパートの二階なので、僕の部屋も揺れに揺れました。本棚はバラバラ、食器もどこそこに散らばり、悲惨な状態に。蛯原はその日夜勤で、片付ける時間もなく職場に向かいました。夜中にまた揺れるのではないかと恐る恐るな心持ちでしたが、家で布団の中に入っているよりはすぐに逃げ出せていいんじゃないか、と切り替えて仕事に取り組みました。←偉すぎる。  南海トラフがどうとか、考

          20240815 明日くたばるかもしれない、だから今すぐ振り絞るuuuuただ伝わるものならば僕に後悔はなaaaaい、と言えるほどに表現しきれているだろうか、僕は、君は。まだまだ書かんといかんのやないだろうか。

          20240803 自分の全てを捧げるつもりで作り上げたものが周りに評価されない結果が出ない、なんてことは世界中どこにでもありふれている訳だが、それはそれとして悔しがる権利は存分にあると思う

          こんにちは、蛯原テトラです。 暑い日が続いておりますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。 屋外で働く蛯原は、毎日四リットルの汗を流しております。 水分って大切! 休日は散歩に行くことを日課にしているのですが、仕事のない日まで暑さに苦しみたくはないので、朝五時ごろに起きてテクテク歩いています。 今朝は散歩がてら、郵便ポストに封筒を投函してきました。 書き上げた小説の紙原稿を運営本部に送るためです。 最近の公募では、専用のプラットフォームに入力したり、投稿サイトにアップロード

          20240803 自分の全てを捧げるつもりで作り上げたものが周りに評価されない結果が出ない、なんてことは世界中どこにでもありふれている訳だが、それはそれとして悔しがる権利は存分にあると思う

          20240730 作家志望なら主張は作品内でしろ、とはよく聞く言葉だけど、おまえらどうせ読まないし、読み取ることもしないよね

          こんにちは、蛯原テトラです。 今回、読み方によっては好戦的に見えるタイトルを付けましたが、これは別にそういう記事ではありません。 noteのアカウントを作ってもう数年が経つのですが、蛯原は正直、これをうまく活用できている気がまったくしないのです。 過去記事を振り替えると、ショートショートや短編小説がチラホラ……。 ほとんど備忘録のような扱いでした。 こういう運用方法を蛯原が選んでいた理由が、まさにこの記事のタイトルにあります。 「作家志望なら、思っていることは作品内で語

          20240730 作家志望なら主張は作品内でしろ、とはよく聞く言葉だけど、おまえらどうせ読まないし、読み取ることもしないよね

          2024年上半期の活動報告!

          南国宮崎の空は鬱陶しい長雨を抜け、梅雨の終わりと夏の到来を感じさせております、どうも、僕です。蛯原テトラです。 気が付けば今年も折り返しを迎え、改めて思い返すと「あれ、俺、この半年なにやってたっけ?」という鋭利な自問に心の隙間がこじ開けられ、その奥底に潜んでいた果てしない虚無がどぅるんと漏れ出そうになるわけです……ああ、おそろしや! 実生活においては、海まで歩いて行ける場所にあるアパートに引っ越したり、三十台後半に足を踏み入れたこともあって軽い運動を始めてみたり、プリン体

          2024年上半期の活動報告!

          終末にはコーヒーを ⑥

           白い、部屋だった。  頬を何かが伝っている。  それが涙であると気づくのには、それなりに時間がかかった。  誰かが泣いている。  ああ、なんて情けなくて、愛おしい声。  陽介。私の、恋人。  「……長い、旅行だったね」  かすれた声でそう呟くと、目の前ですすり泣いていた陽介が顔をハッと顔をあげた。  私が知っている頃より、少し年を取ったかな。  それでも、やっぱり泣き虫で情けなくて優しい眼差しは、昔のまま変わらなかった。  「……おかえり、陽介」  身体を、暖かいも

          終末にはコーヒーを ⑥

          終末にはコーヒーを ⑤

           陽介と初めて会ったのは、叔父さんの喫茶店だった。  私は、病院から一時帰宅を許されて、母さんに教わったメイクで病人面を隠し、アルバイトとして労働に従事していた。  病院ではコーヒーを飲むことはできなかったけど、叔父さんに豆を分けてもらって匂いを嗅いだり、色を見たりして勉強していたから、なんとかその知識で無理なく働くことができた。  陽介がお店にやってきたのはようやく私がそこでの仕事に慣れてきたころだった。  コーヒーのことなんてまるで知らなくて、注文を取っても「ホット」か「

          終末にはコーヒーを ⑤

          終末にはコーヒーを ④

           そうして、僕の願いは驚く程簡単に叶った。  悪魔が大量にあるコロンビアの袋を手にとって二、三度上下に振ると、いつのまにか袋の印字が「キリマンジャロ」に変わっていた。  よくある罠で、印字だけを変えて中身はそのままになっていたりしないかと疑ってみたりもしたが、封を切って香りを嗅げば間違いなくキリマンジャロのそれであり、悪魔の頂上的な力が本物であることを僕は改めて実感させられた。  ブラジルとロブスタについても同様だった。ガサガサと袋を降るだけで、望みの豆が手に入った。  封を

          終末にはコーヒーを ④

          終末にはコーヒーを ③

           そうして、僕の願いは驚く程簡単に叶った。  悪魔が大量にあるコロンビアの袋を手にとって二、三度上下に振ると、いつのまにか袋の印字が「キリマンジャロ」に変わっていた。  よくある罠で、印字だけを変えて中身はそのままになっていたりしないかと疑ってみたりもしたが、封を切って香りを嗅げば間違いなくキリマンジャロのそれであり、悪魔の頂上的な力が本物であることを僕は改めて実感させられた。  ブラジルとロブスタについても同様だった。ガサガサと袋を降るだけで、望みの豆が手に入った。  封を

          終末にはコーヒーを ③

          終末にはコーヒーを ②

           テーブルの両端にコロンビアコーヒーのストレートが入ったカップを置き、着替えのパジャマを着た悪魔と僕は向かい合わせに座った。  カップに口をつけた瞬間、悪魔は顔をしかめて「私に泥水を飲ませるつもりか!」とまた火を噴く勢いで怒り始めた。仕方がないので僕はここに来てから一度も封を切っていなかったミルクとシュガーを二袋ずつ悪魔のために用意した。小さなマグカップの中でそれらをたっぷりと混ぜあわせる。甘くクリーミーになったそれはようやく彼女の口に合ったようで、やっと僕も一息つくことがで

          終末にはコーヒーを ②

          終末にはコーヒーを ①

          「さぁ、望みを請うのだ人間。どんな願いでも、私が叶えてやろう。もちろん、それ相応の対価は頂くがな」  なりに似合わず、悪魔は傲慢不遜にそう言った。  小さな、悪魔だった。  頭髪は蛇のように宙を自由に這いずりまわり、大きな瞳には炎が爛々と燃え、細い体には動物のような毛皮を纏っていた。ベクトル状の尻尾はピンと逆立ち、天を指し示している。毒々しいほどに紅い唇は少女のような顔の造りとアンバランスで、余計に目立って見えた。  僕は驚愕を抱きながらも、不思議と冷静に彼女を見つめていた

          終末にはコーヒーを ①

          今夜、星を穿ちに行こう  あとがき

           今回、アナログ原稿をデータ原稿に起こすにあたって1十年以上昔の冊子を引っ張り出して諸々の加筆修正を行いました。  当時の自分の文章が下手すぎて、よくこれで提出したなーっというのがシンプルな感想でした。  また、今の自分なら絶対に主題にしないテーマだったり、父親の台詞が家父長制どっぷりでエラそうだったりして、この十年で自分の思想も随分と変わったんだなぁとかなり強く実感しました。話の大筋は変えられなかったのですが、セリフや言い回しは可能な限り変にならないように修正しました。

          今夜、星を穿ちに行こう  あとがき