本「ぼそぼそ声のフェミニズム」から抜粋

「ぼそぼそ声のフェミニズム 栗田隆子著 2019年 作品社」から気になった一節を抜粋

「組織」に向き合う (p96,97) (「女性と貧困」関係の活動に触れ)


「(略)個人より組織の維持を考えれば、途端に運動は強者のためのものとなる。それゆえ、組織について私はますます考えざるをえない。内部で声を抑圧することのない組織とはどのように作ったら良いのか。


(略)女性たちが、声を出すこと、自分たちの差を尊重し、批判があったときには声を潰さず、声を聞き分裂しないやり方を、私たちが知ること。自分たちの内側を省みつつ、権威に飲み込まれず、先鋭化を強いるのでもなく、外につながる方法こそが、オルタナティブだ。関係の作り方、合意の作り方、表現の仕方、批判の向き合い方…それらのつながりをどう作るか。一見迂遠に思える営みが、流行に流されず、社会構造を問うことにつながるだろう。」


性別にかかわらずだが、特に対立の激しい問題を見ていくにあたり、組織内、組織外の関わり方について考えさせられる一節だった。別の識者が語っていた、問題が先鋭化してしまうと「もっと中間的な、穏やかなMajorityが置き去りにされてしまう」との言葉も思い出され、どこのどんな声を拾い上げ、どのような情報を伝えるかがいかに大切か、改めて考えさせられた。

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