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Noname、大好きな詩人、ラッパー

Nonameの音楽、出会ったのは自分的にはよくあるパターンだった。今は加入していないが当時NETFLIXのオリジナルドラマDear White Peopleを見たとき、多分シーズン2まで見ているのかな、そのドラマも気に入ったがサウンドトラックも気に入ってシーズン1のサントラのコンピレーションを自分で作った。その中にNonameさんの曲があった。そこからだ。そして彼女の曲に興味が出て、街の選曲家#6にも書いているように彼女の最初の曲集Telefoneを聞き、最高の存在だと感じた。

街の選曲家

先ずTelefoneというアルバムというか曲集のことだけど、それは彼女自身が2016年に10曲の320kbpsのMP3ファイルと、Mixtapeをリリースしたみたい。後のインタビューを読むと彼女自身縛られるというか、そういうのが嫌い、いや、それよりも自由に創作したいようで自身のリリースになったのかなと思う。今はそういうことができる時代で、それで世界を変えることもできる。現に私はTelefoneは世界を変えたと思っている。それが少しの変化だとしても明らかにね。その前提を知ってさらに興味が沸いた。

私はラップというかヒップホップは日本語から入ったが、幸い日本のラップの初期から聞けていた。それは地方に住んでいても業界くん物語やBPMレーベル、MAJOR FORCEという音源が聞けていた時代、それ以降ずっと聞けている自分と時代の幸運。そういう流れもあって私自身ヒップホップも好む。だがNonameさんの曲を聞いた時にはちょっとした違和感を感じた。上記のドラマに入っていたTelefoneの二曲目、Sunny Duetはコーラス、ドラム、というかトラックを聞きはじめた瞬間、一瞬リズムの不一致、変則的に転がり落ちるような感じのサウンドに聞こえる。だがそれでもすぐにNonameさんのラップが始まって、フロウが乗ってくればとても素晴らしいものになる。リリックは私が感じたのは一見群青色の世界で、人の内面的なものだ。しかし暖かい日差しを感じている。そんな曲だった。そのTelefoneをずっと毎日というくらいヘビロテしてるんだけど、少し曲を紹介したい。


Yesterday - Noname

Telefoneの一曲目だが、最初でも最期でもいつでも構わない、そんなNonameさんの世界そのものを感じる曲。美しいピアノとはっきりしたドラムが幻想的で、しかもそれが現実のように感じさせるトラックだ。何もかも美しくノスタルジック。それはリリックもそうで、いつの日かの昨日という感じもする。大人になりたくない気持ち、その理由、それらを感じられる。現実を知れば知るほどとどまっていたい。そんな気もする。この曲の特に気持ちが揺れた部分はやはり以下になるかな、

And I know the money don't really make me whole
The magazine covers drenched in gold
The dreams of granny in mansion and happy
The little things I need to save my soul

When the sun is going down
When the dark is out to stay
I picture your smile, like it was yesterday
When the sun is going down
When the dark is out to stay
I picture your smile, like it was yesterday

When the sun is

最初と最後のフレーズにサビのフレーズ、どっちもリリックがとてもよくてその世界に入ってしまう。これがNonameさんって感じの曲で世界。


Reality Check (ft. Eryn Allen Kane & Akenya) - Noname

この曲は聞きやすい曲で希望の曲だが、実際リリックを見てみるととても黒人というものを考えさせられる。それは井の中の蛙大海を知らずで実際は自分達も同様で黄色人種、そんなことも思ってさらに深く考えてしまうが、まあそういうことはいい。だが、Nonameさんのリリックを追っていると必ずその問題にぶつかるのは仕方のないことで、しかもそれは差別する側の問題が大きい。多かれ少なかれそういうものはあるが、どこでけりをつけるのか、そういったことも考えてしまう。このReality Checkはそういう日常の中でNonameさんが自分をどれだけポジティブに開放できるかというような曲でもある気がする。以下のような部分には詩的ではあるが、何らかの問題はあると思わずにはいられない。でもリリックそのものは素敵と感じてしまう。

She dream in techni-color
Live black and white
Opportunity knockin
A nigga just got her nails done
Skeletons in my closet gone open the door when Yale come
They ain't gonna wanna see my silhouette rap
He's fucking cognac
My smile in all black

そしてEryn Allen Kaneさんの歌が響くのだが、それは神の声か、それとも自分の内なる声でのチャレンジの喚起か。そんなに前面に出てくるような感じでもないが素晴らしい歌声。

Don't fear the light
That dwells deep within
You are powerful
Beyond what you imagine
Just let your light glow

そしてさらにアウトロに向かうAkenyaさんの歌声はなんだろう。やはりそれは自分自身を励まし鼓舞するものだろうか。光が差すように、空からもれるような音で自分自身を確立しているということに念を押すような、やっぱりそういう励みのリリックなんだろうなと思う。

And when that call comes
(You better)
You better say hello
No hesitation
(you better)
No hiding, deep down below
(you better)
No beg your pardon
(you better)
You better stay and grow
Your liberation
(you better)
For your lonely soul
You'll be on your own

繰り返すようになるが、Nonameさんは私にとって最高のラッパーで詩人、他の曲もこころを温めてくれたり、現実を知り切り裂くような衝撃を与えてくれる。今回はこの二曲のことを書いてみたが、すべての曲を愛している。街の選曲家#6にも書いたFreedom Interludeのようなとっても詩的なリリック、Bye Bye Babyのような切なさと愛も感じるものでも切り裂かれるようだ。前回の時に名盤と書いたが、このTelefoneという曲集は紛れもない。盤ではないにしても名盤だ。

蛇足だが最初にリリースされたものと、サブスクやbandcampで販売されているものとは少し違うようだ。前回の時に書いたのと同様だが版権の問題か、それとも製作者の曲に対する作りこみ等の問題か。それともまた他の問題だろうか。以下のSoundCloudのリンクが多分オリジナルなんだと思われる。自分はもう何か月もサブスク版をヘビーローテーションしているのだけど、前はYouTube版を聞いていた。そんなに違和感はないし、そんなにも違いはないとも思う。でもやっぱりサブスクやbandcampを利用してNonameさんを支援してほしいという気持ちはある。

私がオリジナルと思っているもの



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