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大人の数学学習法

 主要5科目と言えば、受験で課されることの多い「国語・数学・社会・理科・英語」を指します。
 その中でもとくに大切なのは、昔からよく言われるように「読み・書き・算盤」(Reading, wRiting, aRithmetic [three R's])でしょう。科目で言えば、国語数学です。あえて1科目に絞るなら、国語力でしょうね。

 言葉(国語)がわからなければ、社会・理科も数学も英語も、学ぶことができません。
 ただ、数学の記号(言葉)を知らなければ、「5x+3x+6=10」のような簡単な1次方程式でさえ、それなりに複雑な言葉で説明しなければなりませんから、第2の国語として数学を学んでおかなければなりません。

 国語と数学さえしっかり出来れば、他の教科は、独学で学ぼうと思えば学ぶことができるので、他の科目に先だってマスターしたほうがいい。

 と言っても、国語の場合、生まれてからずっと見聞きしたり、話したりするので、誰でもそれなりに身につきます。もちろん、きちんとした文章を書いたり、きちんと読むためには、きちんと訓練しなければなりませんが、とくに意識的に勉強しなくても、自然と身につきやすい。それに対して数学は、勉強しようという意識がないと、なかなか身につきにくいと言えるでしょうね。
 自然にベクトルを覚えたとか、微積分ができるようになることはまずあり得ない。

 体系的に数学を学ぶには、小学校・中学校・高校の教科書を順番に学んでいくのがいちばんバランスがとれる勉強法です。

 しかし、(教科書を順番に学んでいってもよいのですが)大人になって学ぶなら、必ずしもすべて学ばなくても、必要な箇所だけ学んだほうが興味を持続させやすいように思います。

 人それぞれの目的によって、数学の学び方は変わっていい。
 語学や数学というと「基礎から順番に一歩一歩学ばなければならない」という思い込みがありますが、旅行するような感覚で学んでもいいのではないでしょうか?

 どこか外国に行くとき、例えば中東に行くのなら、完璧にアラビア語や英語が話せたほうが深くその地域の文化を学ぶことが出来ます。けれどもたいてい、限られた期間内で有名なスポットを回るだけですよね。

 私は大人が数学を学ぶ時には、観光旅行的な学び方というものがあってもいいのではないかと思います。とりあえず、現地に行ってみて、細かいことは後回しにすることも悪いことではないと。

 完璧に一歩一歩踏みしめながら登山することは、それはそれで価値のあることですが、とりあえず山頂から見える光景を見ることが目的ならば、途中ロープウェイを使ったり、バスを使ってもいい。

 数学でも同じことです。一つ一つ定理を証明して上を目指さなくても、定理や公式は正しいものとして受け止めて、あなたが今最も関心のある数学の問題を解けるようになるのもいい。

 どうしても全部極めたいならば、山頂に登ったあと、くだっていって理解していく。目的地から見下ろせば、途中の道のりも見通しがよくなります。
 どこへ向かっているのか分からない状況で、一つ一つ定理を証明することはつらいし、嫌気がさして来ることでしょう。

 数学が得意な人だって、分数の割り算ではなぜ逆数をかけるのだろう?、とか、負の数と負の数をかけると何で正の数になるんだろう?、なんて即座に説明できる人は少ないです。機械的に計算してることでしょう。

 今目の前にある問題を解くのに必要な道具(定理、公式など)は所与のものとして認め、そのメカニズムを考えず、使いこなすことだけ考える、という接し方でも良いだろうと思っています。


 …とエラそうに書きましたが、「何で?」がわからなくても、「へぇ」と楽しむことができるのが数学です。

 たまに岩波の「数学公式集」を眺めます。とくに、数列の公式を眺めるのが楽しいです。
 導き方はすぐに忘れますが、分数の足し算・引き算をしていると、円周率が現れるのが不思議に思えて、「へぇ」と感心してみたり。
 導き方は忘れても、公式の意味するところが分かれば、数学も楽しいものです。


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