AIを疑う | 英語5文型🤔ご意見求む!
(1) はじめに | 英語5文型
高校生が用いる参考書では、一般的に「英語の文型には5つの型がある」と説明されています。
第1文型(SV)
→「主語+動詞」
第2文型(SVC)
→「主語+動詞+補語」
第3文型(SVO)
→「主語+動詞+目的語」
第4文型(SVOO)
→「主語+動詞+目的語+目的語」
第5文型(SVOC)
→「主語+動詞+目的語+補語」
英文がこのように、きれいに5つのパターンに分けられるとも限らず、微妙な場合もあります。しかしながら、私は基本的には、英文を5つのパターンに分類することは(配列で「格」が決まる「孤立語」としての英語では)非常に有効な考え方だと考えています。
英文の要素には、主語S、動詞V、目的語O、補語Cの4つがあります*(注1)。
*(注1)「修飾語M」を加えている参考書もあります。
英文を分類するとき、主語Sと動詞Vがどれなのかということは明らかです。迷うとしたら、目的語Oと補語Cと(修飾語M)を見極めることだろうと思います。
文法学者の間でも見解が分かれるところですが、私は「目的語O」と「補語C」と「修飾語M」の区別を次のように考えています。
(2) 目的語・補語・修飾語の区別(私の持論)
ここからは私の持論です。
①基本的に、目的語になれるのは、(代名詞を含む)名詞だけである。日本語の「~を」「~に」に対応させることが可能なもの。主語とは「=」で表せない。
換言すると「A is B.」では表せない。「HAVE関係」にある。
つまり、「A have(has) B.」で表すことができる。
②補語になれるのは、形容詞、名詞、前置詞句のみである。主語あるいは目的語と「=」で表せる。換言すると、「A is B」で表すことができる。
「BE関係」にある。
つまり、「A is(are) B.」で表すことができる。
③目的語にも補語にも当てはまらないものは修飾語である。
☆目的語の例☆
He gave me a present.
(彼は私にプレゼントをくれた)
これは「第4文型」。
主語は「He」、動詞は「gave」。
「me」(私に)と「a present」(プレゼントを)は、いずれも名詞であり、かつ、
「He is me.」とも「He is a present.」とも表せないので「目的語」。
また「me(I) have a present」というように、「HAVE関係」にある。
文全体は次のように表すことができる。
He [HAVE] 《gave (me [HAVE] a present)》.
彼は「私がプレゼントを『持つ』ということ」を(与えることで)『持った』。
☆補語の例☆
He painted the wall white.
(彼はその壁を白く塗った)
これは第5文型。
主語は「He」、動詞は「painted」。さきほどのように「HAVE関係」と「BE関係」で文全体を表すと次のようになります。
He [HAVE]《painted (the wall [BE] white)》.
彼は「『壁が白い』ということ」を(塗ることで)『持った』。
(3) 私の持論によれば
最近私が読んだ本の中に、次の例文がありました。
He put the bottle on the table.
(彼はそのボトルをテーブルの上に置きました)
私の考えでは、この文は「第5文型」または「第3文型」です。
ポイントは「on the table」という前置詞句をどう捉えるかです。
「He put the bottle」だけで文が成立していて、「on the table」は修飾語に過ぎない、と考えれば「第3文型」になります。
「the bottle is on the table」と表せるから「on the table」という前置詞句は「補語」だ、と考えれば、「第5文型」になります。
いずれにせよ、「on the table」は前置詞句であって「名詞(名詞句)」ではないので、私の持論では「目的語」になることはありません。
AI (Gemini) なら、どういう答え(第3文型と答えるのか、それとも、第5文型と答えるのか)を出すのだろうかと気になって、尋ねてみました。
答えは意外なものでした。
(4) Geminiに質問
He put the bottle on the table.
「He put the bottle on the table.」は、英語の五文型で第4文型に当てはまります。
S (主語): He (彼)
V (動詞): put (置く)
O1 (間接目的語): the bottle (ボトル)
O2 (直接目的語): on the table (テーブルの上へ)
この文では、「彼」が「ボトル」を「テーブルの上へ」と、2つの目的語を持っています。これが第4文型の特徴です。
補足:間接目的語: 誰か、何かのために何かをする、という場合に使われます。この文では、「彼」が「ボトル」を「テーブルの上へ」置く相手や場所が特に明示されていないため、間接目的語は省略されていると考えることもできます。
直接目的語: 動詞の作用が直接及ぶものを指します。この文では、「ボトル」が「置く」という動詞の作用を直接受けているため、直接目的語になります。
まとめ:
「He put the bottle on the table.」は、主語、動詞、間接目的語、直接目的語の4つの要素から構成されており、英語の五文型で第4文型に分類されます。
(5) AIを疑う
Geminiの答えは「第4文型」。「第3文型」でも「第5文型」でもありませんでした。
確かに、英語の目的語は、日本語の「~を」「~に」に相当しますが、Geminiは「~に」と「~へ」を混同しているのではないか、と思われます。また「on the table」という塊は、全体として「名詞」(名詞句)とは考えられません。だから、目的語にはなり得ません。
もしもGeminiが、「前置詞句」も目的語になりうると考えているならば、第4文型という結論を出しても仕方ないのですが、私は「前置詞句」は補語になることは認めても、目的語になることには同意できません。
私は「He put the bottle on the table.」という文は、第3文型あるいは第5文型だと思っています。第4文型はあり得ない。
教科書的には、第5文型をとる動詞の例としては、callやpaintが挙げられていますが、putを挙げているものは、私の知る限りありません。
だから、試験で仮に「これは第何文型か?」と問われたら、「第3文型!」というのが模範解答になるだろうとは思っていますが。、。
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あなたは「He put the bottle on the table.」という英文は、第5文型でいうと、どの文型に当てはまると考えますか?
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