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一語の宇宙 | どっちの意味? | existential

 「existential」。動詞「exist」(存在のする)の形容詞。

 「exist」が「存在する」という意味の動詞で、「existence」が「存在」という意味の名詞です。

 哲学的な難しい議論はさておき、「exist」という動詞も「existence」という名詞も、意味は理解できるし、どういう意味なんだろう?、と頭を抱えることはありません。

 けれども、形容詞の「existential」の解釈は迷うことが多いです。なかなか使いこなすことができない形容詞です。

 辞書的な「existential」の意味には、
①存在の
②経験的な
③<<哲学>>実存主義の
…という3つがあります。

 ただ、「existential fear」とか「existential crisis」という使われ方をするときには、「観念的なexistential」なのか「現実にあるexistential」なのか、よくわからないことがあります。
 
 「現に差し迫った実体を伴う不安」なのか、「漠然とした死への恐怖」なのか、よくわからない。身も蓋もないことを言えば、「existentialをどういう意味で使いましたか?」と、その言葉を使った人に問うてみないとわからない。
 
 文脈を見ても、どちらの解釈でも意味は通じることが多く、悩ましい単語です。
 ちょっと私には手が出しづらいです。


「一語の宇宙」では、英単語をひとつ取り上げてエッセイを書きます。こちらのマガジンへ収録していきます。


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