掌小説🤷「殿」🎒
(1)
わたしは、代用教師として一年間、小学校🏫で働くことになった。前任の先生が、出産して戻ってくるまでのことだ。教員採用試験は今年こそ合格できるだろう。
勉強✏️を教えたり、生徒とサッカー⚽をしたり、わたしは仕事を楽しんでいた。もちろん、大変なことも多いが、正式な採用を目指して頑張ろう🎵しかし、そのとき、わたしはまだ、小学生の恐ろしさを知らなかった...
(2)
悲劇は国語の時間に起こってしまった。新しい漢字として「殿」という字を教えていたときのことである。
「みんな、"殿"っていう字を知ってるかな?」
誰も手を挙げる生徒はいなかった。仕方ない。こちらから答えられそうな生徒を指名してみるか。
「じゃあ、佐藤くん、"殿"っていう字を使ったことばを何か知ってるかな?」
佐藤くんは答えてくれた。
「殿様?」
「正解⭕、よくできました。ほかに知ってることばはあるかな?じゃあ、今度は玲奈ちゃん。なにか思い付くことばはある?」
「宮殿?」玲奈ちゃんは答えた。
「正解⭕、よくできました」
わたしは、殿様と宮殿という2つのことばくらい知っていればいいかな?、と思ったので、次の漢字に進もうとした。
(3)
そのとき、大橋くんが手を上げた。
「佐藤殿はどう?」
みんな、クスクス笑い出した。
「玲奈殿はどう?😊」
「伊藤殿は?😄」
「鈴木殿は?😆」
「野々村殿は?🤣」
「竜太郎殿は?🙍😢💦」
ははははは...🤣🤣
城崎、城崎、佐用、佐用、東京、城崎、佐用...
止まらなくなった。
「伏魔殿だな」😲😱😵😨
わたしはひとり呟いた...
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記事を読んで頂き、ありがとうございます。お気持ちにお応えられるように、つとめて参ります。今後ともよろしくお願いいたします