短編 | 宝くじ魔法学校
(1)宝くじ収益金
宝くじの収益金の使い途が議論されることになった。
社会福祉に資するものに使われるべきこと、そして、将来に渡ってコスパのよいもの。この二つの条件を満たすものとして「魔法学校」が設立されることになった。
学校の建物そのものを作ることは容易だが、誰が魔法を教えたらよいのか?そもそも魔法なんてあるのだろうか?
歴史上、「魔女狩り」というものはあったが、ジャンヌダルクだって、本物の魔女だったわけではなかろう。
とりあえず、自薦・他薦を問わず、魔女を応募することになった。
(2)第一の候補者現れる
応募して二日後、まず最初に現れたのは次の人物だった。
やや胸元を強調した緑色のドレスを着た長身の女。笑顔はまったくないが、なかなかのオーラ・パワーがある。5メートル以内には近づけないような殺気を感じた。
「あなたが応募した動機は何ですか?」
「わたししかこの世に魔女はいないからです」
「給与面でのご要望は?」
「時給3万円くらいでいいです」
「・・・・・・」
(3)第二の候補者現れる
第一の候補者の面接が終わった次の日、二人目の候補者が現れた。
真冬にもかかわらず、第二の候補者も薄着でやったきた。
「あなたが応募した理由はなんですか?」
「あたし、リアルな魔法は使えませんが、美魔女なんです。面接官のお兄さん、あたしの胸をご覧になってくださる?」
女は唐突に服をたくし上げた。
見よ!
私が今まで見た中で最高の美乳だった。
「給与面でのご要望は?」
「最低賃金さえいただければ、なにも要望はありません」
私は我を忘れて、速攻で内定を決めてしまった。
「採用させてください!」
(4)大団円
その後、懲戒免職となった。
私の不正を暴いたのは、第一の候補者だった。彼女は本物の魔女だったのだ。
(756文字)
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