見出し画像

詩 | たかが恋 Ⅱ

夏の終わりに
アゲハチョウが
花咲く小枝に
ひらひら揺れた

鱗粉が
手につくくらい
近づいても
ゆらりゆらりと

きれいだね
スキだよと
何度言っても
触れることなく

この夏の恋は
もう手放したはずだった過去の恋
もう咲くことも
羽ばたくこともない

夢に夢見ることなんて
いっそのこと
きれいにきれいに
忘れてしまって
何事も最初からなかったかのように
すれ違うこともなく
羽ばたく音を響かせるでもなく
今までいっしょに
過ごした時間は
虚空に消えていくのだろう

軽く軽く
アゲハチョウのように
傷つきながら
ゆっくりゆっくり
その命の炎が燃え尽きるが如くに




#たかが恋
#私の作品紹介
#忘れられない恋物語
#恋愛詩
#片思い
#はじめて切なさを覚えた日
#青ブラ文学部
#詩のようなもの

記事を読んで頂き、ありがとうございます。お気持ちにお応えられるように、つとめて参ります。今後ともよろしくお願いいたします