素顔のわたし⑥(最終話) | 他人は理解できない、自分は理解されないことを受け入れる
人間の不幸はすべて、人に期待することから始まる。
「どうして私は他人に理解されないのだろう?」
「どうして他人は私を理解できないのだろう?」
すべての不幸の原因は、この2つの感情に起因するものだ。
他人は他人、自分は自分であるという当たり前のことを骨の髄から受け入れてしまえば、ほとんどの悩みは消えるものだ。
なのに、話せば理解してくれる人が必ず現れることを信じたり、相手に自分の心が届かないのは自分の言葉が足りないからだとか、相手の理解力が乏しいからだとか、そんなことを考えるから自縄自縛に陥ってしまうのだ。
他人のことは理解できない、自分のことは理解されないということを受け入れてしまえば、少なくとも人間関係で悩むことは減る。
別に他人を貶めているわけでもなく、自らを卑下しているわけでもなく、事実そういうことなのだ。
これだけ言ってるのに、なぜ理解されないのだろう?
これだけ聞いているのに、なぜ理解できないのだろう?
不条理が条理の世界なのだから。
他人も自分も形のないただの観念としての存在だと受け入れてしまえば、それだけでだいぶ生きやすくなる。
自分がいなければ生きていけない人なんていない。
この人がいなければ私は生きていけないなんて人はいない。
口ではいくらでも絵空事は言える。
他人にも自分にも全く期待しない生き方。なんと清々しいことだろう。
記事を読んで頂き、ありがとうございます。お気持ちにお応えられるように、つとめて参ります。今後ともよろしくお願いいたします