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town103
短編小説 | 冬の告白
由紀子の告白
もっと早く伝えたかったんだ。初めて君を見かけた瞬間に、こころの深いところで喜びに満たされたんだ。
一目惚れなんていう軽い言葉じゃ表現できないような、じーんとこころの芯からあたためられるような。
君にはもうすでに、彼女がいるかもしれない。何の取り柄もない私なんかから告白されたって、君に迷惑をかけるだけなんじゃないか、って思っちゃって。
こんなに好きなのに、たった2文字の「スキ」が言えないなんて、われながら恥ずかしい。情けない。
君に付き合ってほしいなんて言いたいわけじゃないんだ。ただ、君がこんなにも私のこころを揺さぶったことを、君に伝えておきたいと思ったんだ。ごめんね。迷惑だよね。。。
夏男の告白
ほんと迷惑なんだよね。そんなこと言われたって。
ぼくはずっと前から、好きで好きで、寝ても覚めてもずっーと思っている人がいたんだ。だけど、ほんとうにかわいい子だから、ぼくには手が出せなかった。
男なのに、好きな女の子に「好き」と伝えられないことがふがいなくて。
でもね、もう明日、クリスマスだろ?別にクリスマスになんか、特に何の思い入れもないけれど、きっかけにはなる。だから、今日、ぼくの一番好きな女の子に「スキ」だということを、ぼくのほうから伝えたいと思っていたんだ。
それなのに、ぼくは、自分から「スキ」だと伝える前に、ぼくの最も好きな女の子から先に「スキ」だと言われてしまった。恥ずかしい。情けないったらありゃしない。そうだよ。君のせいだよ。
君のこと、初めて会った瞬間からスキだった。ずっとずっと好きだった。ごめんね。伝えるのが遅くなっちゃって。許してね。ありがとう。
由紀子
わたしたちって、バカだよね。
夏男
そうだね。ぼくたちは大バカ者だ。
(沈黙)
💝💝💏💝💝(/ω・\)💓👩❤️💋👨💓
🎄🎅🎁✨メリークリスマス近し。
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