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短編 | 僕の妄想物語
いつものように夕食を済ませたあと、SNSを開いた。タイムラインに現れる記事を読みながら、🤍のボタンを押してゆく。
すると画面に、僕がSNSを始めた頃からフォローしている女性の記事が目に飛び込んできた。
たしか水曜日はエッセイの日のはずなのだが、今日は短編小説のようだ。
読み始めると、それは官能小説だった。きっと彼女の中に、ドゥヴァドゥヴァとほとばしる創作欲がムラムラと湧いてきたのだろう。普段の彼女の清楚なイメージからかけ離れた淫文がそこにあった。
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一気に読み終えた僕は、大ファンである彼女がどのようにしてこの小説の構想を得たのかと想像した。
おそらく机に向かっていては、このような着想は生まれないだろう。以下、僕の妄想である。
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「机に向かっていても、事務的な文章しか書けないわ。とりあえず、お風呂に入ってからゆっくり考えようかしら」
普段はそれほど長い時間風呂に入る私ではないが、書かなければならない原稿のことが頭を離れない。浴槽の中で、「あぁでもない、こうでもない」と同じところをグルグル回っていた。気が付いたときには、すでに二時間以上経過していた。
「あ、熱いわ、こんなに熱くちゃ服なんて着ていられないわ」
私は風呂を出るや否や、ベッドに裸体を投げた。
「あ、熱い、あぁあ~ん、熱い」と言葉を発しているうちに、私の内なる淫獣が目覚め始めた。
自然に手が胸元から下腹部へと動いていく。
「あ、そう、そこ。あぁ、あん、き、気持ちいい… …」
いつの間にか、ベッド上は大洪水になっていた。まるで潮を吹いたクジラように。
「あ、これだわ。私がほんとうに書きたかったものは… …」
記憶の冷めないうちに、私は一気呵成に短編小説を書き上げた。
おしまい
すべてフィクションです。
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