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神話物語 | 霧の女⑨
前話はこちら(↓)
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いま私は
とある町の図書館にいる。
ここで起こったことを
私は繰り返して語る必要を認めない。
最初の『霧の女』との邂逅と
まったく同じことが繰り返されたからだ。
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霧の女は閉館間際の郷土史料室に現れ、翌朝、私は投函された手紙を受けとる。
そして倒れ、新たな霧の女が私の心臓の一部となって語りかける。
私の心臓にはすでに何人もの「霧の女」が宿っている。
![](https://assets.st-note.com/img/1725754212-qfoOZ0dP7UFngzR5stLu4GSh.png?width=1200)
「あなたはどの『霧の女』がいちばんお好きかしら?」
私の心臓に宿る『霧の女』たちは、私こそは本物の霧の女だと、争うかのように、青い光を発するようになっていった。
「あなたは『霧の女』を匿うために生まれて来たのよ」
最後に私の心臓に入り込んだ霧の女が呟いた。
「そうなのかもしれない、いやおそらくそういうことなのだろう」
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私の心臓は、幾多の霧の女の避難所になっていった。
気がついたときには、私の全身は青の虚空に溶け込んでいた。
…次回最終話
最終話はこちら(↓)
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