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whyever|文法書で覚えたことば。

[1]複合関係副詞whyever

 一般の英文法書では、複合関係副詞(compound relative adverb)と呼ばれるものは、whenever、wherever、howeverの3つだと説明されることが多い。
 山崎貞「新自修英文典」(研究社)では、次のような例文が挙げられている。

Come whenever (=at any time that) you like.
いつでも好きな時においでなさい。
Whenever (=Every time that ) I meet him, I speak seriously to him.
会うたびごとに意見する。
Sit wherever (= in any place that ) you like.
どこでも好きな所へおすわりなさい。
My dog follows me wherever (= to any place that ) I go.
私の犬はどこでも私の行く所へついてくる。

山崎貞「新自修英文典」(研究社、2008),p461

 しかし、綿貫陽/マーク・ピーターセン(共著)「表現のための実践ロイヤル英文法」(旺文社)では、前述の3つに「whyever」を加えた4つを「複合関係副詞」として挙げている。
 私は、この本で初めて「whyever」という単語を知ったので、とても印象に残っている。ピーターセン先生の説明を読んでみよう。

whyeverは、<whyever+S+V>の形で、「どんな理由で~しようとも」という譲歩の意味を表すことがある [= no matter why]。ただし、その他の<疑問詞+ever>に比べると、whyeverは、使用頻度の極めて少ない、珍しい語である。
Whyever he might have told her, he shouldn't have done so.
(どんな理由で彼が彼女に話してしまったとしても、話すべきではなかった。)
基本的にfor whatever reason (~の理由は何であれ)という意味を持つwhyeverの<whyever+S+V>の形は、さほど頻繁に見られる言い方ではないが、この表現がぴったりする感じのときもある。たとえば、There must have been some reason why she was absent.(彼女が欠席したのは、何かの理由があったはずだ)と言われ、「どんな理由があったにしても、出席すべきだった」と答える場合、No matter what [Whatever] reason there might have been, she should have attended.や、No matter why she was absent, … .などで差し支えないのだが、Whyever she was absent, … .という言い方の簡潔さには、表現としての魅力がある。

前掲書、p.287


 文法書に載っている単語や言い回しは、普段あまり使用しないからと言って忌み嫌う人もいるが、こういう言い方も知って使えるようにしておくと、相手に教養を感じさせるかもしれない。使用頻度の多い表現ばかり使っていると、平板な表現になりやすい。

[2]管到(かんとう)

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