詩 | 悲しみの伝達速度
スパッとナイフで
切られたように
はじめのうちは
わからなかった
しばらくしてから
血が吹き出してきて
はじめて痛みを
感じはじめた
無感覚状態から
激痛へ移行して
やがて鈍痛が
つづくことになった
ずっと鈍い痛みを
抱えていたんだ
もっと早く君を
手放しておくべきだった
会えない日々は
いつしか会わない日々に
変わっていたのに
ズルズル付き合っていた
君からのLINEも電話も
僕からの電話もLINEも
形式的にものに
成り果てていたのにね
わかっていたのよ
惰性だってこと
けれど最後の一本の糸が
あなたにつながっていたのよ
だから僕は自分から
最後の一本を絶ち切ったんだ
こうでもしないと
君も僕も泥沼に沈むだけだから
あら ずいぶん勝手なことを
言ってくれるわね
わたしのことを
捨てたかっただけでしょ?
さようなら
すまない
君への心が
なくなったんだ
捨てられる前に
捨てたかった
あなたのことを…
この歳の失恋は
身にこたえるわ
記事を読んで頂き、ありがとうございます。お気持ちにお応えられるように、つとめて参ります。今後ともよろしくお願いいたします