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春の短歌 | 別れの歌


めぐり来る
桜の花を
眺めては
過ぎしあの日の
滲む面影

めぐりくる|さくらのはなを|ながめては|すぎしあのひの|にじむおもかげ


巣立つ君
点になるまで
見送って
他人となりて
二度と出会わず


すだつきみ|てんになるまで|みおくって|たにんとなりて|にどとであわず


雨降りて
地に積もりゆく
花びらの
色褪せてなお
こころざわめく


あめふりて|ちにふもりゆく|はなびらの|いろあせてなお|こころざわめく


わかり合い
わかれ合うまで
わからずに
わかれて気づく
わがままな恋


わかりあい|わかれあうまで|わからずに|わかれてきづく|わがままなこい


おどおどと
おどけておどり
おどろいて
おとなしくして
おとうとのおと


オドオドと|戯けて踊り| 驚いて|大人しくして|弟の音


皿の上
肉のとなりの
クレソンの
緑の色の
濃淡の影


さらのうえ|にくのとなりの|くれそんの|みどりのいろの|のうたんのかげ


窓越しに
手と手を合わせ
伝われと
言いし言葉も
聞き取れぬまま


まどごしに|てとてをあわせ|つたわれと|いいしことばも|ききとれぬまま


手のひらに
ビビビと走る
電流の
痺れ忘れて
他人となりぬ


てのひらに|びびびとはしる|でんりゅうの|しびれわすれて|たにんとなりぬ



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記事を読んで頂き、ありがとうございます。お気持ちにお応えられるように、つとめて参ります。今後ともよろしくお願いいたします