バイクで美術館巡り:天心記念 五浦美術館
〒319-1702 茨城県北茨城市大津町椿 2083
http://www.tenshin.museum.ibk.ed.jp
駐車場
バイク、自転車:専用の場所はないが、全然問題なく (どこかには) 駐輪できる
クルマ:無料駐車場あり
入場料:常設展 190 円、企画展は別料金、JAF 会員は常設展だけなら団体料金に割引、また美術館のウェブサイトに割引券がある
古くから景勝地として知られる茨城県最北部で太平洋に面する五浦海岸 (いづらかいがん) に美術館はある。常磐自動車道から国道6号線に出れば標識が出ており、道に迷う事はない。
美術館
美術館は、近代日本画の確立の最大の功労者である岡倉天心が創設した日本美術院の跡地のそばにある (跡地そのものは結構すごいところにある)。崖や絶壁が海に迫る、いかにも日本画の題材にありそうな雰囲気の場所である。美術館では日本美術院創設の経緯やこの五浦での近代日本画の大家達の活動を知ることができ、どうやら五浦が近代日本画の発祥の地と言ってもよさそうな感じである。
常設展は岡倉天心にまつわる事物と、横山大観を含む弟子の作品が数点であり、企画展の展示室と比べるとさほど大規模ではないが、明治後期の日本で、西洋の影響を受け「美術」が隆盛してくる様子が生き生きと、と言うか生々しく窺える。
岡倉天心記念、という性質から企画展は近代日本画が主のようだが、展示室はそれなりの広さがあり、大きな作品を多数展示できる。私が見た筑波大学の日本画専攻の教員による作品展は非常に見ごたえがあった。昭和までの、たとえば横山大観 (岡倉天心の愛弟子) などによる日本画から相当の発展をしていて、一見すると日本画には全然見えないものもあるが、流れは繋がっていると言われれば、そういう気もしてくる。作品の寸法がそもそも大きいこともあるだろうが、迫力や訴求力を非常に強く感じる。
食事
美術館は海に面して建っており、館内ロビーのカフェからは海と、その向こうの福島県いわき市のいわきマリンタワーや勿来火力発電所を眺めながら食事をとれる。コーヒーのテイクアウトサービスが、アイスもホットもある。また近くに大津漁港があるので、海鮮料理屋が周囲にたくさんあり、うまいものには事欠かない。ただ平日は営業してなかったりするので要確認である。美術館入口の真向かいにある料理屋は平日でも営業していて、地元民ご用達である。国道6号線に出て北上すればすぐいわき市で、南下するよりは早く都市部に出られる。
周囲
岡倉天心の別荘を転用したという日本美術院は、今はもうそこにはないが、跡地に石碑が建っている。崖の上である。美術館のウェブサイトでは天心遺跡記念公園と書いてあるが、公園の雰囲気はあまりない。公園としては整備途上なのかな、と思う。
日本美術院の建物は五浦岬公園の展望台のそばに再現されていて、映画のロケ地になったようである。またそのそばの岡倉天心の住居跡には茨城大学の五浦美術文化研究所が設置され、海に臨む六角堂から荒波が崖を洗う様子などを見ていると、天心が住んで活動していた当時の様子を窺える。
美術館から北に 20 km くらいでいわき市、小名浜で、アクアマリンふくしまがある。またスパリゾートハワイアンズも 30 km くらいである。いわき市では、市街地のど真ん中に市立美術館があり、これも五浦美術館から 30 km くらいである。ブログに「コンパクトながらパワフルな活動を展開」とあるが、その通りだと思う。
ツーリング的には、北西に山越えして、福島県須賀川市とかを通って会津若松や猪苗代湖に行くのも楽しいと思う。150 km くらいである。そこまで行くと、サルバドール・ダリに特化した諸橋近代美術館が近い (猪苗代湖の北 10 km くらい)。または五浦から西に 100 km くらい行くと那須高原で、こちらにはステンドグラスやテディベアなど、テーマを絞った美術館がいくつもある。