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子供にとって有害なストレスとは?!

子供が十分なサポートなしで、重度で長期にわたるストレスを経験することは、長期的な健康への影響につながり、子供達の発達に悪影響を及ぼす、有害なストレスに至る可能性があります。

ストレスとは、知覚された脅威に対する身体の自然な反応で、適度なストレスは、脳の活性化や行動力の向上、認知機能の改善に役立ちます。
しかし、常にストレスを感じている状態で、適切なサポートを受けられない状況では、ストレスは有害となり、心身の機能やウェルビーイングに影響を与える可能性があります。

すべての人間はストレスを経験しますが、子供は大人と同じようにストレスに対処することができません。
長期的なストレスは、子供達に深刻な影響を及ぼし、人生の出来事や課題に対処するする能力の発達を低下させる可能性があります。
子供がストレスの多い状況に陥ったとき、親または保護者が元気付けたり、温かく寄り添うなど適切なサポートをすることで、心身への悪影響を軽減することができます。

逆境的な幼児期体験「(Adverse Childhood Experiences, ACE)」は、子供の健康や発達に深刻な影響を及ぼすことが、多くの研究で示されています。

【ACEの定義】

ACEとは、子供が18歳までに経験する可能性のある、虐待やネグレクト、家庭内の問題などのトラウマ的な出来事を指します。

(ACEの例)

  • 身体的、性的、または感情的な虐待

  • 親の離婚

  • 家族のメンバーが精神的な問題や薬物依存を抱えていること

  • 経済的な困難や不安定な住環境

  • 自宅で暴力を目撃する

  • 人種差別などの差別を経験する

  • 貧困やホームレスを経験する

  • 親や養育者の死を経験する

【ACEの影響】

ACEは、子供の発達や健康に長期的な悪影響を及ぼすことが知られています。

  • ACEを経験した子供は、成人後に慢性的な健康問題(心疾患、糖尿病など)を抱えるリスクが高まる。

  • ACEは、うつ病や不安障害などの精神的健康問題のリスクを増加させる可能性がある。

  • ACEを経験した人々は、社会的孤立や人間関係の問題を抱えることが多く、健康問題の悪化の原因となる。

  • 幼少期にACEを経験した子供は、学業成績が低下し、行動問題を抱えることが多い。

以下が、子供が有害なストレスを経験しているかどうかを識別するのに役立つ兆候です。

  • 特に思春期に社会的に有害な行動に関わる。

  • 幼児期の引きこもり。

  • 定期的に癇癪を起こす。

  • おもらしや、悪夢を経験する。

  • 常に不安、緊張、または警戒しているように見える。

  • リラックスするのが難しいと感じる。

  • すぐに興奮する。

  • 眠りにつくのが難しいと感じる。

  • 定期的な腹痛と頭痛。

ACEの影響を軽減するためには、早期の介入と支援が重要です。

  • 親や保護者への教育: ACEの理解を深め、子供に対する適切な支援方法を、親や養育者が学ぶ。

  • コミュニティの支援: 安全で支援的な環境を提供するように、コミュニティーで支援する。

  • ACEを経験した子供やその家族に対して、小児科医などの医療専門家が、メンタルヘルスに関するサポートを提供する。

最も大切なことは、子供が安全でケアをされていると感じることです。
子供達のストレス信号を逃さず、健康的な食事、適度な運動、良質な睡眠、安心できるコミュニケーションを心がけたいですね。

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