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わたしを値引きしない生き方

🐈‍⬛自己紹介🐈‍⬛

✧京都在住┆フォトグラファー10年目
✦夫、息子(R4生まれ)、猫♀(7歳)、猫♂(6歳)
✧36歳で出産。女性ホルモンに振り回されがち。PMDD改善中→ピル服用で人生変わる
✦産後の調子が悪くすべての自信を失う。からの再出発としてのnote開始
✧note100日連続投稿チャレンジ→4月12日達成→🆕90歳まで毎日投稿
✦セミヌード熱爆上がり中。
✧最弱メンタルぽんこつ母さん→最強メンタル母さんへ。毎日をふかふかな心で生きるため、心を鍛える「メンタル筋トレ」で世界を変える。

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スーパーの魚売り場で、40%オフの黄色いシールを見つめている。ブリのアラ。その透明の四角いパックの向こうで、銀色の断片が静かに光を湛えている。

かつてのわたしは、この黄色いシールに心が揺らいだ。安さに飛びつく自分を、どこか後ろめたく感じていたことを思い出す。まるで、経済という名の階段を、下へ下へと降りていくような錯覚。その時の気持ちは、透明なパックの中の魚のように、切り身になった誇りだったのかもしれない。

でも、今日は違う。

この40%という数字が、むしろ知恵の光のように見える。仮に、懐が潤沢だったとして―――。それでもわたしはこのアラを選ぶだろう。なぜって?それは、賢明な選択への敬意であり、資源を大切にする心であり、無駄のない生き方への静かな共感だから。

夜の鍋に、このアラは命を吹き込んだ。出汁が染み出るたび、海の記憶が湯気となって立ち昇る。切り身ではない部分にこそ、魚本来の豊かな味わいが宿っている。なんて不思議なんだろう。値引きシールの向こう側に、こんなにも深い歓びが隠れていたなんて。
夫が、「やっぱオレは魚でブリが一番好きや」と言っている。2歳の息子はやわらかいブリの身をほぐしたものを「うま!」と言いながら平らげる。


わたしたちは、ともすれば「安い」という言葉に、価値の低さを重ねがちだ。でも、本当の価値とは、そんな単純な物差しで測れるものだろうか。むしろ、この40%オフという数字は、わたしの中の「選択する力」を育ててくれている。それは、お金の余剰ではなく、心の余白を増やしてくれるものなのだ。

鍋の湯気が立ち昇る夜に思う。この選択は、決して「仕方なく」ではなく、むしろ誇らしい英知なのだと。アラが出汁となって溶け出すように、わたしの中の古い価値観も、静かに溶けていく。

そうして気がつけば、世界の見え方が変わっている。値引きシールは、もはや「安さ」の印ではない。それは、賢明な選択への招待状であり、新しい価値との出会いを約束する、小さな黄色い道しるべなのだ。

この気づきは、きっと次なる発見への伏線となるだろう。わたしのこの「めんどくさめ」な思考回路は、今この瞬間も、何かを紡ぎ出そうとしている。それは、まるで鍋の中で溶け出す出汁のように、ゆっくりと、でも確かに、新しい味わいを作り出していくのだろう。

未来は、きっとこんな小さな気づきの積み重ねでできている。今夜の鍋の余韻とともに、その確信が、静かに胸の中で温もりを帯びていく。



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