上橋菜穂子『香君』
匂い、をテーマにしたファンタジー。
植物の匂いを聞く事の出来る少女の成長譚でもある。
オアレ稲という奇跡の稲を巡り、アイシャ(主人公)が事件に巻き込まれていく。
政治的に管理されているオアレ稲。
その声を恐ろしく感じるアイシャ。
香君と呼ばれながら匂いを聞くことの出来ないオリエ。
マシュウという不思議な男。
複雑な登場人物が織りなす優しくも考えさせられる物語である。
ネタバレは避けるが一応ハッピーエンディングである。
上橋菜穂子らしい丁寧な物語であった。
『鹿の王』の続編も期待しているのだが…またですかね?