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『探花 隠蔽捜査9』今野敏

隠蔽捜査11作目。
今回の舞台は横須賀。
ヴェルニー公園で他殺死体が見つかったことから物語はスタートする。
竜崎伸也刑事部長の活躍は如何に、というのは何時もの読みどころだが、今回は米軍基地が絡んでくる。同時期に異動してきた同期の警備部長との絡みも読みどころのひとつだ。そしてポーランドに留学していた息子の逮捕画像がSNSに上がった、というハプニングも起きる。

大森署署長を経て人間的に成長した竜崎の捜査への関わり方も、相変わらず本音で勝負するやり方も、警察小説としてだけでなくお仕事小説としても面白い。米軍のNICSの特別捜査員の扱い方も丁寧に描かれている。

ネタバレは避けるが、目撃者が被疑者に変わる展開も、捜査が広域に広がる展開も、読ませどころ満載である。
今野敏らしいテンポの良い書き振りも相まって一気に読ませる作品となっている。

ここから読んでも十分楽しめるがやはり一作目から通読する事をお勧めする。
警察庁→大森署→神奈川県警と職場が代わるごとに成長していく竜崎を追いかけるのもまた楽しみの一つ。同期で幼なじみの伊丹との絡みもまた時間とともに変化していくのも面白い。

単行本は既に12作目が出ている。
文庫化が待ち遠しい。

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