東京マサラ部31.カルナータカ料理の概要を簡単にまとめました
東京マサラ部では毎月テーマを決めてその地域の料理を作ってみる活動を続けています。4月のテーマはカルナータカ料理。
なんだかんだ過ごしていると。つもいつのまにか月の後半くらいになっていて、慌てて調べたりしているうちに中途半端に終わってしまうことが多いので、毎月の始めにWikipediaの情報をベースにしつつ概観を掴むためのゼミ活動を行うことにしました。今回は4名の方が参加してくれ、ZOOM上で90分間集中してカルナータカ料理について話しました。
ケーララやタミルは南インドの州の中でも人気でお店も多く知名度もあるのになぜカルナータカは日本ではあまり知られていないのか不思議です。料理名に関してもなんだかんだ聞き覚えのない単語が多く難しいです。
以下、カルナータカ料理の概要をまとめてみました。カルナータカは州単位でまとめるのは乱暴ではないかというくらいバラエティに富んでいて色々な食文化がありますが、ざっくり分けると以下のような感じになります。
●北カルナータカ料理
モロコシ(jowar)の雑穀を使ったジョラダ・ローティなどをよく食べ、菜食で有名な北カルナータカ料理。マハラシュトラに接しているので文化的にも近く、スパイスの量が多めで激しい味わいの料理も多い。ギーではなくベンネ(バター)がミールスに添えて提供されるのが特徴的で、バターがたっぷり乗せられて濃い口のサンバルと一緒に食べられるベンネ・ドーサなども有名。
●南カルナータカ料理
ラギ(シコクビエ)や米を主食とした南カルナータカ料理。紫色の団子状のragi mudde(ラギムッデ)はKoli Saaru(チキンカレー。チキンサンバルとよばれることも)などの肉料理とともに食べることが多い。ベジのアイテムとしてはパリヤpalya(野菜の炒めもの)、ゴジュgojju(甘酸っぱい濃厚なグレイビーカレー)、ウピナカイuppinakai(アチャール的な漬物)、huliフリ(サンバル的な酸っぱい汁物)、tili saaruティリサール(ラッサム的な胡椒の効いたスープ)、uppusaaruウプサール(スパイスの効いた豆のスープ)、bas saaruバッサール(スパイシーな野菜ポタージュ)、masoppuマソップ(葉物野菜をマッシュして入れた汁物)、masekaiマセカイ(野菜のマッシュ)などが挙げられる。
●カルナータカ沿岸部料理
土着の魚介とココナッツを多用した料理、サラスヴァッドの料理、ゴアからの移民の影響を受けたカトリック料理、アラブの影響を受けたマーピラ・ムスリム料理、などたくさんの文化が融合しユニークな食文化を持つマンガロール料理。美食の街マンガロールの他にも菜食料理やマサラドーサ発祥の地で知られる門前町ウドゥピの料理も特徴的で、ウドゥピのベジミールスはインドの他の地域でもブランド化している。
その他、ヒンドゥー化されていない先住民族の料理としてクールグ(コダヴァ)料理があり、豚肉、ジビエなどを食べるなどの点でユニークに扱われています。
IT企業で有名な大都会バンガロールでは、カルナータカの郷土料理に限らずインド中の様々な料理が食べられるようです。バンガロールではティファン類も他の南インドにはないような特徴をもっていて、ドーサは小ぶりでぶ厚めに仕上げられるのが特徴だとか。そんなドーサには甘辛くてギーが香るカルナータカのサンバルがよく合いそう。
結論:インド行きてー!
参考:
『食べ歩くインド』南・西編
https://en.wikipedia.org/wiki/Mangalorean_Catholic_cuisine
https://en.wikipedia.org/wiki/South_Indian_cuisine#Karnataka_food
https://en.wikipedia.org/wiki/Karnataka_cuisine
※画像はWikipediaより転載
さらなる詳細に関しては4月の活動を通じて、改めて公式マガジン内にレポートしていきたいと思います。
日本には、カルナータカ料理を出しているお店というのがなさそうなんだよな...。情報ありましたらお寄せください。
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