コカムを使ったエビのココナッツセミドライカレー/Sukkem【レシピ】
「ゴア料理」と聞いてまず思い浮かべるのはポークヴィンダルーではないだろうか。そのようなポルトガルの食材と調理法の影響を受けたゴア料理はゴアクリスチャン料理と呼ばれる。それに対して沿岸部のコンカニ地方一帯で食べられている伝統的なゴアヒンドゥー料理は魚と米を主食とし、貝やカニなどもよく食べられている。ココナッツやコカム、唐辛子を多用して味付けするのが特徴。
今回はエビを使ったスッケムのレシピを紹介。sukkemはdryという意味で、「マトンチュッカ」や「zunka」なども同じような意味。
現地ではアサリに似た海水に棲息する二枚貝がよく使われるが、今回は簡単に作れて食べやすいように剥きエビを使用する。ホタルイカやホタテ、つぶ貝などいくつか試してみたけど、エビとムール貝が一番しっくり来た。
それ以外でもカニ、イカ、魚などメインの具材を変えると色々なバリエーションが楽しめると思う。
コカムとは?
コカムはマンゴスチンの仲間で、特にゴアやインドの西海岸沿岸部で自生している植物の果実。料理の材料として、マハラシュトラやグジャラート、コンカン(ゴアやカルナータカ)を中心に使われている。甘酸っぱいフルーティな風味と酸味がつく。
果実は赤くてマンゴスチンの形をしており、熟すと深い紫色になる。日に当てて乾燥された状態で市場で売られている。水に浸してから汁だけを使ったり、煮込む際にそのまま使う。
タマリンドで代用されることもあるが、味は全然違う。
使用する調理器具
・インド料理作りにはブレンダーが必須。どれを買えばいいか悩むけど、入手性と使いやすさという意味でマジックブレット(魔法の弾丸)はおすすめ。パワーはそんなにないけど、スパイスを挽くミルサーとしても使いやすい。
・スパイスや材料をいちいち計量するように習慣づけると料理の上達が早まり、安定して再現性を出せるようになる。今のところ0.1g単位、3kgまで迅速に測れるタニタのデジタルスケールがベスト。使っているときに反応速度が速いのでストレスがない。
・今回は使用しないが、圧力鍋があると料理の幅が広がり、時短にもなるし光熱費の節約にもなる。慣れないと爆発しそうで怖いかもしれないが、時短アイテムとして非常に有効。インドでよく使われている圧力鍋はこちら。少量作るためにも使えるので小回りは聞くが、日本のものの方が性能はいいと思う。
・テンパリングをするときには少量の油でも使えるタルカパンがあると便利。インドの家庭にはだいたいあり、自分もインドで買ったものを8年くらい愛用している。
・揚げ物をするときや炒め物をするときに赤外線温度計を使うと便利。キッチンに置いておいて、玉ねぎを炒めているときに今何度なんだろう?って気になった時などサッと調べてみるのも面白い。
・イドゥリやドーサなどを作るために豆のペーストを作るときはウェットグラインダーが欠かせない。詳しくは→https://philosophycurry.com/wet-grinder
Sukkemの材料
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