見出し画像

離人症とかいうものになっていた頃の話|生きているのに生きていない感じ

小4〜中1,2,3と5年間不登校だったのですが、その頃「離人症」とかいうものになっていました。ちなみに今は治っています(ごく稀になるけど)。

このことについていつか伝えようと考えていて、ちょうど今書こうかな、と思ったので。

何かしらの参考になれば……
今生きづらさを抱えている方のお役に少しでも立てれば……


誰からも理解されなかった

正直、これが一番つらかったです。

  • 生きている感じがしない、常に視界に透明の膜のようなものがあった

  • 自分の手を見ても、鏡で顔を見ても「これは本当に自分なのだろうか?」と感じていた

  • 自分自身を第3者目線から、上から俯瞰している感じ。まさに3Dマリオのような

  • ご飯を食べたら味はするしケガをしたら痛みを感じる。だからこそよくわからなかった。やけにリアルな夢とでも表現できるでしょうか。

  • そして「いつかこの夢は覚めるんだ」と思って耐えてきた

とかまぁ、こんなことを思い出すだけでも非常に気分が悪くなるのですが、これらを誰に言っても全然理解されなかったのが一番キツかった。

不謹慎で申し訳ないですが、目に見える外傷だったらどんなに良かったか、と思っていました。そしたら皆必死で心配してくれるし、対処方法は明確ですから。

医療機関に行っていたら何かがもっと早く変わったのかもしれませんが、当時はそういった発想になることもなく。
親もネットに疎かったし、その後理解されるものの初期は「いいから学校へ行け」「何か病気が潜んでいるんじゃないか」の一点張り(2点?)だったので、何もありませんでした。

ちなみに、離人症というのは後から自分でネット検索して知りました。
初めは「メガネが合っていないんじゃないか」と思ってコンタクトレンズにしたり、「酸素が脳に回っていないんじゃないか」と思って耳鼻科へ行ったり。

結局というか当然というか、もちろんそれら機能には一切の問題がなかったのですけれど。

で、ある時本当に突然治った

一切の誇張なく、本当に青天の霹靂でした。良い意味で。

急に、視界がフッと晴れたというか。よくありがちなオノマトペや比喩といったものではなく、本当に、スッと一瞬にして視界がどこまでもクリアになったのです。

通信制高校のサポート校へ通うようになってから3ヶ月くらい経ったころですかね。楽しく通ってそれから家へ帰って、いつものようにソファに座って休憩していたら、いきなりその時は訪れました。

本当に感動しました。あぁ、人生ってこういうことか、生きているとはこういうことかと。まぁ、親に言っても伝わらないから自分一人で。

なんか今これを書いていて気がついたのですが、幼稚園は自我がなかったはずだし、小学校は1年生から大嫌いだったので、思うにその頃からずっと離人感はあったのかもしれません。
どうにかしようにも、精神的にも肉体的にも幼かったし、自分の力でできることはかなり限られていたわけで。

だから、15,16歳から僕の人生は始まったのかな、と。

思うに、治った時期は気の合う友達ができていて、人と交流するということに意味と喜びを見出し、自分は生きていていいのだ、ここへいていいのだ、と思えていました。

そのことが、積もりに積もったストレスを確実に溶かしていってくれたのだなと。

今でも一時的に離人感が生じることがある

あまりにもストレスが溜まっていると、発症します。
そこから少しづつ落ち着いていって負荷が減ると治ります。

あとはなんでしょう、ストレスとは別でというか、特定の状況下に置かれることでも発症することがあります。

地下鉄構内のような、狭くて暗くてガヤガヤしていて照明がピカピカしているようなところに行くとほぼ確実になります。なのでなるべく行きません。

でも、どうなんでしょう。これは離人症とは別の事象なんですかね? 僕は感覚過敏もあるので、それが引き起こすことなのかも。あるいは両方?

トピック 「行かずに死ねるか!」というエッセイ本にあった一節

自転車で世界一周、というなんとも型破りなノンフィクション作品なのですが、著者でありチャリダーの石田氏が、南米チリで強盗に襲われるシーンがあります。
銃を突きつけられながら、身包み剥がされて。

で、この場面を氏は「自分なのに自分の体じゃないようで、どこか客観的に眺めているような感覚だった」(詳しい文体は忘れてしまいました……)と書かれている

*ありました

行かずに死ねるか!: 世界9万5000km自転車ひとり旅  幻冬舎文庫 石田ゆうすけ

のですが、それってまさに離人症じゃないか! と読みながら思ったのです。

極度のストレスにさらされると発症するという、まさにその一例だと。

ちなみにこの本はとても面白いのでぜひ。

最後に 伝えたいこと

今この記事を読んでいる方で「もしかして自分これかもな……」と気がついたり、ずっとそのつらさを抱えておられたりしたら、まずはその事実を正面から受け止めることをおすすめします(どうしてもつらいならやめたほうがいいかも)。

そしてその上で、それが当たり前だとか、どうせずっとこうなんだ、とか受け入れるのではなく、いつか必ずその状態は脱出できると信じて、必要な行動を可能な範囲で起こしていってください。

地獄の底で大変おつらいかと思いますが、結局、それしかないと思います。
医療機関に行かれるのも選択肢の一つであると思いますが、それが全てではないと僕は考えています。

素人の一意見に過ぎませんが、この記事がお力になれば……

いいなと思ったら応援しよう!

philosofy
(´・ω・)つ旦