雪玉を転がすように生きる
主に健康面で強く感じたことだが、雪玉を転がるように生きた方が良いな、と思うようになった。
雪だるまを作る際は、まずは小さい玉から転がして、少しずつ雪玉に雪がまとわりついて大きくなっていく。
徐々に負荷が上がっていくけれど、とはいえ、もう既に転がっているので0から転がらせるよりは、勢いがついている。
だから、大きい雪玉とて、ちょっとした力でも押しやすいのだ。
具体的な例を上げると、前述した通り健康の話だ。
数週間前、アラフォーの僕は、自分で自覚が出来るほどの身体にガタが来ていた。
座りっぱなしの生活で慢性的に腰は痛いし、寝違えたのか首が曲がらない。
余りにも酷いので、整体に通い始めて、根本的な治療を始めた。
これが契機となって、僕は小さい雪玉を転がし始めることにした。
何年も運動らしい運動をしてこなかったが、明らかに今の自分には必要だ。
ただ、試しに走ってみるとすぐに息は上がってしまうし、足がアホほど痛い。
10代は長距離マラソンの選手などもやっていたので、ショックだった。
体力や長距離を踏破する精神力に自信があったのに見る影もない。
遅いペースなら一生走っていられるなんて豪語していた時代が懐かしい。
過去の栄光に縋っても、まったく意味なんて無い。
今の自分は、運動しなくなって20,30年も経っている成れの果てなのだ。
不摂生のせいで、節々が悪くなっている。
病名がついてないのが不思議なくらいだとさえ思う。
本当の手遅れになる前に、何とかしなければならない。
まずやり始めた事は、ウォーキングだった。
前述の通り、今の僕には走ることが出来ない。
無理して走っても、具合が悪くなったり、身体を故障するだろう事は予想がついた。
(というか、以前も勢いに任せて走り込んで足を故障した経験がある)
仕事がある中で忙しいので、とにかく5000歩だけ歩こうと、意識するようにした。
一般的には、1日1万歩というのが目安で言われるが、当時の僕には途方もないように思えた。
座りっぱなしの生活の中で、何も考えずに活動していると3000歩とちょっとくらい歩いていた。
なので、とりあえず1万歩の半分の5000歩を目標に足りない分を散歩することにしたのだ。
最初は本当に面倒くさかった。
近くに公園があるので散歩ルートとしては、良いルートがある。
ただ、公園を小回りするだけだと1000歩にも満たない。
ただでさえ出不精なのに公園を2週しないといけないのは、遠く見えた。
とはいえ、1日1回は外に出るようにして、外出のタイミングで適当に歩数を稼ぐようにした。
面倒だった5000歩は、知らないうちに慣れてきた。
週間になってくると、それほど苦痛でもなくなってくるものである。
散歩自体に慣れたので、散歩する際にどうしたら自分が退屈じゃないかなど考えた。
僕は常にあれこれ考えているので、テーマでも決めて、それについて結論を出したり、適当な事を試していった。
1日1回で残りの2000歩を歩くのではなく、朝夜にすれば公園1週と少しなので、そちらの方が気持ち的に楽だと気づいた。
次のステップとして、平日で5000歩行けているのだから、休日は1万歩に挑戦してみた。
当初は1万歩というと、結構時間もかかるし大変だった。
1万歩を達成する際にも色々試してみた。
どこかの方角に5000歩して帰ってきたり、線路沿いを1万歩して電車で帰ってきたり。
1万歩ともなると、一度に達成しようとすると足が痛くなった。
このやり方では続けられないと思ったので、平日同様に分けることにした。
休日1万歩に慣れてくると、平日でどうにかならないのか?
と考えるようになった。
仕事があるので、休日ほどに時間をかけることは出来ない。
どうしたものか。
思いついたのは、部屋の中でうろちょろする事だ。
リモートワークなので、挙動不審でも誰かから指摘されることはない。
PCに向かわないと出来ない仕事もあるが、頭で考える仕事も結構多い。
いつもの散歩のように頭であれこれ考えながら、スマホに向かって音声入力すれば、働きながら歩数を稼げる。
座り仕事のせいで腰が悪くなっているが、歩きながら仕事が出来れば改善に繋がるかもしれない。
昔の哲学者は、頭を腹たかせるために歩いた(歩くと諸々あって血流が良くなる)とも聞く。
プラシーボの影響もあると思うが、考えの整理が上手く出来ているような気もする。
仕事の状況や、ミーティングなどのじっとしていないと行けない事情などもある。
そのため、毎日の家でうろちょろした結果はばらつきがある。
ただ、そんな中でも朝の散歩と家のうろちょろだけで、ほぼ1万歩を達成できてしまう日も増えてきた。
以前は、座って延々と何かを考えると、集中も続かなくて、だれてしまうことも多かった。
しかし、そもそも体力がついた影響なのかすぐ疲れることもなくなった。
今ではウォーキングの影響で体力がちょっとだけついてきたので、ジョギングにも手を出せるようになってきた。
足で使うことにも慣れてきたので、ジョギングをしても足は傷まない。
どうせならと、ウォーキング前に筋トレをして心拍数を上げてから歩いたりもしている(代謝効率が上がる)。
どうせ筋トレするくらいなら、プロテインも飲もうと思って購入した。
筋トレ効率が上がるし、プロテインのお陰で満腹感が続く。
ダイエットもしているので、一石二鳥だ。
そうして、1日1万歩や筋トレというのが、僕にとって当たり前の習慣になってきた。
以前は、1日1回家を出ることさえ面倒で、5000歩は途方もなく思えていた。
しかし、もう習慣になっているのでやらない方が気持ち悪いとすら思う。
健康の為に使う時間を先に確保しているので、無駄な時間も減ってきた。
興味のないYouTubeや面白くないゲームなどを一切やめることが出来ている。
最初に転がし始めた雪玉は、小さかった。
こんな事を続けて、何か意味があるんだろうか? と思い悩んだこともある。
けれど、最初は小さくてもそれを契機に徐々に効果が出てくるものだ。
毎日続けている事は当たり前になり、ちょっと物足りなくなってくる。
もう少しだけ手を伸ばしたら、もっと良くなるのではと期待して、頑張れるようになる。
知らない間に、自分に本当に必要なものと不要なものが見えて、毎日が充実する。
最初から筋トレを頑張ろうなんて思っていたら、何も始めなかったはずだ。
というか、実施したとしても筋肉痛で3日坊主にすらならずに倒れていたと思う。
まずは、バカバカしい程に小さい所からでも、勢いをつける為に必要な準備だ。
良い行動は、さらに良い行動に繋がっていく。
自分の経験を通じて、心底そう思えた。
主に運動面に限って書いたが、日々の習慣は下記にもまとめている。
https://note.com/phil_despair/n/n15a8c7044641
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