意思決定支援の仕事をしている人にオススメの1冊。医療現場の行動経済学

珍しく、医療の本。
 
医療現場の行動経済学


わたしは普段、『意思決定支援』の仕事をしています。
というわけで、この本の存在を知った瞬間に、「これは読まないと!!!」と。
 
●患者さんと医療者では、医療行為の受け止め方に深い溝がある。
⇒痛感…医師の伝え方に「もうちょっと良い伝え方あるしょ~」と思ったり…
 
●同じ情報であっても、表現の仕方違いで、意思決定が違ってくる。
⇒これも痛感。自分の言葉ひとつで、その人の人生が大きく変わる可能性がある、怖い仕事だと思っています。
 
●ナッジ(命令ではなく、肘でつっつく感じ)の設計を適切に。本人の意思はあるのか?
⇒その人自身が意思決定できるように促す。まさにやってます。
 
●医療現場における行動経済学
・サンクコストバイアス:ここまでやってきたのだから…
・現状維持バイアス:まだ大丈夫。このままでいい。
・現在バイアス:今は決めたくない。
・利用可能なヒューリスティック:がんが消えた!という広告。
・プロジェクションバイアス:「寝たきりになったら○○してくれ。」⇒いざ、寝たきりになったら、「いや、まだまだこれ動けてるでしょ、○○されるなんてたまったもんじゃない」
などなど…
 
⇒産科だと、プロジェクションバイアス。
授乳と薬に関する意思決定は、生む前に描いていた産後の生活に基づきます。
が、いざ生まれると
「こんなに痛いなら、もうやめたい…」
「母乳あげないつもりだったけど、顔を見たらやっぱりあげたくなりました…」
「完母でいきたかったけど、元気に生まれてくれたらそれでもういい。薬の影響気にするよりも、潔く母乳停めます」
と、180度変わったりするのが、もう日常茶飯事…
 
●医療者のスタンスは、インフォームドコンセント⇒インフォームドチョイス⇒シェアードディシジョンメイキング(共有or協同的意思決定)へと変わってきている。
⇒意思決定支援をしていると、必ず耳にする言葉です。が、実習に来た学生に「学校でShared Decision Making」って習う?と聞くと「知りません」と言われます。まだまだ教育現場はICで止まっているんだなぁ…と感じます。
 
●シェアードディシジョンメイキングを、「ソムリエのように」と表現されていました。
⇒これ、ナイス!!
  
 
 
行動経済学といえば、ダン・アリエリー氏の本が有名ですよね。1冊読んで、ものすごくおもしろくて、著者しばりで全部読みました。



ロルフドベリの本も。


Factfulnessも。



 
ロジカルには行かない人間の心理、おもしろい。
 
 
やばい、超長くなった…おもしろかったです。

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OcchiCafeteria
大切な時間を、このnoteを読むことに使ってくださって、ありがとうございました♡

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