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石田による投稿

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石田霜舟による投稿のまとめ
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記事一覧

トロッコの正体

前回の終わりに、渡辺一夫の評論「寛容は自らを守るために不寛容に対して不寛容になるべきか」…

トロッコ問題の使いよう

「より多くのものを害さないための不可欠な手段として、より少ないものを害すること」。いわゆ…

自然と人と (唾玉録 四)

井伏鱒二『川』ノート第十一日 山に突き出た大きな岩からチョロチョロ流れ出した水が水流を…

迷える衆生(唾玉録 三)

第五回までは、五日分の『川』ノートと雑記帳の二部構成である。もともと自分の迷いの話を書い…

文学フリマ東京の感想

昨日は、小此木君と二人で泊まるつもりで取った部屋を独り占めにしたが、シャワーを浴びている…

東京へ 文学フリマ前日の記

東京へと向かう高速バスの中である。窓を通して射す日の暖かさでうっとりとしている。横光利一…

井伏鱒二『川』を読む(唾玉録 二)

またしても雑談である。 前置き 私は、我が『灯台』同人の他の二人とはかなり違う性質だと前々から感じている。だいいち、二人は以前から小説家を目標のように考え、小説を書くことに喜びを感じ、実際書き続けてきたというが、私はというと小説家になろうと思ったことは思い返せばないではないが、その夢を入れた箱は随分昔に何処かにしまって以来、行方が知れぬので、最近になって小説なるものに手を染め始めるに際しては新たに箱を拵えねばならなかったくらいである。書くものの内容にしても、私は二人のもの

「真」の文芸? 谷垣君へ (霜舟)

漱石を読む前に 谷垣君にとって漱石が風変わりな叔父だとしたら、我々は親戚自慢を聞かされ…

語ることと信ずること (唾玉録 一) (霜舟記)

唾玉集という、明治期の作家等へのインタビューを集めた本がある。インタビューではないが、気…

掌記 (霜舟記)

私は、遠出をしたときなど、手のひら大の手記にあれこれ記すのを楽しみにしている。見たものや…