『物語のある鉱物図鑑』の裏側
3月下旬に『物語のある鉱物図鑑』という文庫サイズの本を出しました。
こんな感じで、鉱物にまつわる歴史、由来、偉人の物語を紹介しています。
で。
こういうきれいな写真を使った本をつくる時は、テスト印刷で特に色を気をつけてチェックします。
その時、ふと思うことがあるのです。
これって人生と同じだな、と。
たとえばこの目次ページ。
これはテスト印刷なのですが、白抜きの文字がちょっと読みにくかったんですね。
じゃあどうするかというと、文字の色や大きさを変える・・・のではなく、背景の黒をもっと黒くするんです。
そうすると、
白い文字が、より見えやすくなるんです。
左(できあがった本)と右(テスト印刷)の微妙な色の違い、わかるでしょうか?
左のほうが、背景がより黒いために、白い文字もくっきり見えるんです。(たぶん)
これを人生にたとえると、
自分が70点で周りも70点だと特に目立たないけど、周りがみんな30点で自分だけ70点だとすごく目立つ、みたいな。
(たとえ話がいつもなんかちょっとおしいと言われます)
たくさんの人がいる場所で自分の話を聞いてもらうために大声を出すのではなく、ちょっと周りに黙ってもらう、みたいな。
(おしいたとえ話2)
こちらのページも、
鉱物をもっと目立たせるために背景の黒を濃くすると、
こんな感じになります。
微妙な差ですが。
(なぜか赤浮きもなくなった感じがします)
ほかにも、写真データをできる限り再現できるよう、微妙な修正をしています。
鉱物の緑色を
こんな感じでちょっと濃くしたり。
あ、いま私は偉そうに語っていますが、
色の赤字はほぼデザイナーさん頼りです。
あとは単純な文字ミスも修正します。
角度の単位記号「°」の改行位置を直したり。
ちなみに今回のテスト印刷で、一番恥ずかしかったミスがあります。
それは195ページ。
岩塩でつくられた絵を紹介しているのですが(岩塩も鉱物です)、この絵のタイトル『最後の晩餐』を
『最後の審判』と書いてしまっていたのです。
できあがる前に見つけてもらえて、本当によかった。。。
(編集者様ありがとうございます)
『最後のほにゃららだな』というエセ知識があったばかりに、あやうく大きな誤植を出すところでした。
中途半端に知ってるくらいなら、何も知らないほうが健全ですね。
でも安心してください。
直ってますよ。
ぜひ『物語のある鉱物図鑑』を本屋さんで見つけた時は、195ページを開いて、
「あいつが最後の審判と思ってた絵だ、ぷぷ」
と笑っていただければ幸いです。
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