petitfeminist

主にラジオを聞いています。出生地:宮城県 ベガルタ仙台、楽天イーグルス、相撲、自転車ロードレース、ヨガ。2017.2.短歌人入会 はしごだかでお願いします。

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最近の記事

松村正直『高安国世の手紙』(六花書林、2013)

短歌結社等の創設者で歌人、ドイツ文学者で京都大学でドイツ語の教鞭をとっていた高安国世について「手紙」をもとに解き明かしていく評伝。 不思議な出会い方をした本でした。著者の松村正直さんがX(twitter)で と呼びかけておられて、boothで使えるポイントがあったのと、高安国世訳のリルケを昔読んだなあとふらりと注文してみました(すみません)。 前段でも書いたように高安国世といえば特にリルケの翻訳で知られるドイツ文学者でもあり、私も自分が短歌を始めなければ高安国世が短歌を

    • 「短歌人」2020年9月号

      髙橋小径 会員2 青葉城、青葉山とう力士いて祖父といっしょに声援送りき ただいちど祖父の涙を見しことよ 田端義夫の「かえり船」きく 中学の制服つくった駅前のデパート今は廃墟のごとし 島尾敏雄『日の移ろい』を読みながら年齢なりのおとろえ認む すぐ怒り涙を流して考えるわたしをあなたは思想と呼んだ

      • 「短歌人」2020年8月号

        クレマチス彼の好みしクレマチスされど祭壇には捧げがたしよ コンドームの自販機のみが現役の小さな薬局の跡を見ている もうわたし車の運転しないけど家に届けば読むよJAFメイト 示唆めいた言葉を欲しがりすぎていて何も得られずに読書は終わる 突きとめること必ずしも是ならず父よあなたの娘は狡い 髙橋小径

        • 「短歌人」2020年7月号

          手洗いに十分な長さをはかるため「ハッピーバースデイ」二回歌えり ケネディに捧げたモンローの歌ならば一回で「ハッピーバースデイ」 結社誌を読めばまざまざ目に浮かぶ二ヶ月若いわたくしのこと 粉末のアルコール世にあると聞きちょっとときめく 舐めてみたいな 手甲塩ならぬ手の甲にアルコール粉つけて滅びてゆきたい今は 会員2 髙橋小径

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        • 短歌人
          21本
        • 小池光短歌講座
          0本

        記事

          「短歌人」2020年6月号

          世の中のドアは全てが裂け目だといつしかわれは思いにけるかも 酒をのむという尊きおこないでいのち損なわれるは悲しき 七北田川の河口に満ちる水を見て「きみの目みたいだ」とあなたは言った 風船をうまくふくらませたときに大人になったとつくづく思う 鳥の名で呼ばれていたら朝が来てよその垣根の沈丁花かぐ

          「短歌人」2020年6月号

          「短歌人」2020年5月号

          髙橋小径 泣きながらビールを飲むし泣きながらごはん食べるし泣きながら死ぬ 青山にみじかいあいだ勤めたる君がやすみし髙橋公園 是清は仙台藩士の養子にて出世したけど苦労もしたよう 甘い水苦い水とはいいたくない酒はひたすらうまいものなり あなたから指環がほしいもういちどとびきり大きなガラス玉のやつ

          「短歌人」2020年5月号

          「短歌人」2020年4月号

          髙橋小径 飲みすぎと食べすぎならば飲みすぎを選ぶであろう 朝日がのぼる 流されてマンション住まいとなる今も門飾り買えと母は言いたり こけしある居酒屋で飲むを好みますかつてのわが家で飲んでるみたい リヤカーで中島丁を下りていく美術部一同作品のせて 美術書をいくらでも読める場所もあり宮城県美術館はわれらの庭で

          「短歌人」2020年4月号

          「短歌人」2020年3月号

          髙橋小径 死ぬ前にひと目あいたい人もまたもう死んだ人なのだ はつゆめ 生物の教師に「ひよこ鑑別士」すすめられたことを思い出している ここがあの場所だったことに気づかずに目やにのついた猫と目が合う 押し出しと寄り切りの差を知りしとき相撲ますますおもしろくなる ぽかんとはどんなことなのか知りたくて鏡の前で口をあけている

          「短歌人」2020年3月号

          「短歌人」 2020年2月号

          髙橋小径 うますぎてうますぎてどこか味がしない美空ひばりの「悲しい酒」は これだけは心強いと思いたり高校を出た街で暮らしていること 令和だが二十一世紀だが来年は浪花千栄子がモデルの朝ドラ ひとはみな命の果てを知りしときそこに咲いてる花は手折らず 錠剤を投げ込むように飲んでから効能書きをじっくりと読む

          「短歌人」 2020年2月号

          「短歌人」2020年1月号

          髙橋小径  宮城 長月の宮城県民会館に薬師丸ひろ子のうたごえを聴く 仙台はいい匂いがしてあちこちで鼻歌をうたっている人がいる 二曲目で泣きそうになって横見たら隣の人はすでに泣いてた 何となくふられた歴史を思い出すコンサートでした楽しかったよ 出たことも見たこともあるステージは十年以内に建て替えられる

          「短歌人」2020年1月号

          短歌人2019年12月号

          朝焼けが闇を満たしていくようにいつかは必ず元気になれる ありがとうお給料ありがとう実際は給料明細の封筒 腹の立つことばかりだが封筒に二円切手のあるはかわゆし まんじゅうを肴に酒を飲む友のありてなかなか人生はよし 普通酒を呷れば雪の街なかを歩く勇気が出てくるもので 会員2 髙橋小径

          短歌人2019年12月号

          短歌人2019年11月号

          滅びないしかし昔の愛であるアマポーラとはひなげしの花 いたわりを知りし愛またよみがえるナナ・ムスクーリの「アマポーラ」聴けば きぼうとかみらいみらいとかひらがなで書くときに生じるずるさを咬みしめている バイオリン弾きは静かに眠るためエスカレーターを下っていった 冷えていく身体に見合う愛情を得られないことを何と呼ぼうか 髙橋小径

          短歌人2019年11月号

          短歌人2019年10月号

          正しさがどこかにあると信じてた丸ノ内線丸ノ内駅 それなりに大きい鞄を提げていく何も入れずにただ提げていく 大酒の呑めるしあわせ身のうちに流しで冷水汲んでいる朝 おおよその日の出の時刻を知っている泣く笑う泣く泣く笑う泣く 胡麻粒が歯にはさまっているような気持ちであなたに恋しています 髙橋小径(会員2欄)

          短歌人2019年10月号

          「短歌人」2019年9月号

          日曜の午後二時にはなればFMをあなたはつけるきれいな指で ここにある水ぜんぶ飲む怪物がわたしの中に眠っています ほんとうはあなたはどこかで生きていて今度はわたしをきちんと捨てて 好きなだけ旅に出たいとみずうみの水面ゆらさぬほどの問いかけ 音楽を聴きながらでもまどろめるこの二時台は永遠である

          「短歌人」2019年9月号

          「短歌人」2019年8月号

          遠くまで走れる車でありたいと余計な装備そぎ落としていく 学校をサボった日には砂浜でハマボウフウを食べていました 「夏酒の良いのがあれば」と戸をあける居酒屋のある幸せおもう 泣きながら見るにふさわしい映画とは喜劇であるとあなたは言った その母を喪主として世を去りにけりまじめにふざけた橋本治

          「短歌人」2019年8月号

          「短歌人」2019年7月号

          眩しいと分かっている席で待っているそうしてそれを悔いてもいない お互いの熱でとろけるはずだったかたまり今も冷たいままで 心臓にバターナイフを入れていく柔らかく君を傷つけていく 賭けに勝てばどこかほんのりさみしくて帰り道にはハンカチを買う 地図ばかり眺めてすごした地理の時間 正しいすごし方と云えよう 会員2 髙橋小径

          「短歌人」2019年7月号