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ストレートネックを改善する。許そう・・頭が前に行くのは悪くない。ただリセットが必要なだけ。


ストレートネック。近年急増している有望株で、それにともない相談も増えてるわけです。実際これ改善したいなと思って、取り組んでる方いますよね?どうですか、ストレートネック改善してますか?

なかなか改善しない、根気が必要な姿勢シリーズの仲間なので、皆さんが口々に改善したよー!ということは期待していません。ただやり方によっては、良い感じに改善の方向に向かいますねぇという経験もありますので、その辺をお伝えしていきます。


ストレートネックの概要


ストレートネックとは?


スマートフォン首(スマホクビ)とも呼ばれる。スマートフォンやパソコンの使用に伴い増加中。

ストレートネックとはそのまま、真っすぐの首。首は基本的に後ろに行くことはないので、前にでているという形になります。

スマートフォンとかパソコンの使用の増加に伴ってこの不良姿勢が増えてきたので、そういうふうにスマートフォン首などと呼ばれたりもします。まぁ現代病の1つと言っていいかもしれないですね。

頭が前に行くことは悪くない


頭が前に行くこと自体を「悪い!」とおもってるかた、けっこういるんですが、それは間違いです。だって人間の機能として、頭が前に出せないって不便ですよ!?前に出せたり後ろに引けたりできるから自由な身体なわけですもん。なのでまずは「悪い!」と思わないこと。自分の意志とは関係なく頭が前に行っちゃう。そこから戻ってこれなくなってる状態が問題なんです。

では、そもそも何で前にいくのか考えてみましょう!

・集中しやすい

単純に前にいくとよく見える。集中できる。スマホやパソコンからの情報を的確にキャッチするためには前のめりになって、そこから得られる情報を吸収していく必要があるんですよね。

頭を前に出さずに、目を離してパソコン画面を見てみてください。遠いなぁ、読みにくいなぁって感じるし、なんせ頭に入ってこない。だから近づこうとすることは人間として当たり前のことなんですねー。集中しないといけない時は前に。そうじゃない時は戻す。これができたら問題ナシ!

私の子供は6歳になりまして。もうiPadでYouTube見たりとかするわけなんですよ。観察してるとだんだん画面と顔が近くなって、あー没頭してるなぁ。楽しいんだろうなぁと。でもリセットもしてやらないといけないので、ほらっ!近いよ!画面から離れて!と注意するんですが。やっぱり画面を見ていると自然と近づくのはわかってるので、そもそも画面を見る時間を制限するほうがリセットとしては断然効果があるだろうなと。。子供としても没頭してるときにいちいち注意されるの嫌ですよね(笑)←自分の経験。

・呼吸しやすい

あと、顔が前に出ると呼吸しやすいんです。頭が前に出るということは顎が少し上がった状態になります。トレーナーなんで人工呼吸とか心臓マッサージのCPR&AEDの講習を毎年受けるんですけど、人工呼吸する時に気道確保というのがあって顎を上げるんです(チンリフト)。顎を上げることで気道が開通されて肺まで空気が入っていきます。


頭部後屈あご先挙上法

ということで顎を上げるということは、

気道確保される=呼吸しやすい

だから頭を前にだすことは、生命を維持するうえで一番大切な呼吸を効率的に行えるということで、良い選択をしているとも考えられます。逆に顎をしっかり引きなさいと言われたら、なんか喉が詰まる感じしないですか?頭を前に出して顎を上げている時の方がすんなり呼吸できますよね?そういう性質もあるので一概に悪いとは言えません。

・リセットの重要性

だから大切なのはリセットできるか、できないかということ。


集中しやすいからこの姿勢を仕事中は取ってます。ただ仕事が終わったら、しっかりと元の体勢に戻りますっていうことが必要で。


集中してるから前に行く、仕事が終わってもう戻していいのに戻らなくなってしまっているというのが問題。

ストレートネックの症状


・上半身の痛みや手のしびれ

一般的には腕や手にしびれが出ると言われています。でも、たくさんストレートネックの方をみてますが、まだそれによって腕や手が痺れてます!という方にお会いしたことはありません。なのでストレートネックの症状として本当に痺れって出るのか!?と疑っている部分はあります。個人的には。ですけど。

逆にむしろ頭が前に出るということは、首の後ろ側にスペースが生まれるわけで。スペースが増えると神経自体は圧迫されないので痺れは出にくいのでは!?なんて勘ぐったりもしてます。でも頭が前に出ることによって、首の後ろ側にスペースが生まれようが、首や肩周りの筋肉が極度に張ってくることによって神経を圧迫する可能性もありそう。んー、そこは個人差ですかね。

・眼精疲労の蓄積

目の疲れ。これは想像しやすいですし、実際にこの症状を訴えている方は多いです。前に行って画面も近くなる。集中して見よう見ようとしている。これを長時間続けると目の疲れが溜まってくるのは当然ともいえるでしょう。

・自律神経の乱れ

交感神経と副交感神経のバランスが破綻すると言われています。姿勢が悪くなり、首の歪みが進行していくと脳幹と呼ばれる自律神経の中枢にストレスがかかることが原因のようです。

・姿勢悪化

頭や首が前に行くということは。。
自分の身体の重心が少し前に行きますよね。重心が前に行くということは、どこかで重心を後ろにしないとバランスが取れないわけですよ。ただ重心が前に行くだけだと前に倒れてしまうので。そのためにどんなことをしてバランスをとってるのか?みていきましょう!


 ①骨盤後傾
まず1番やりがちなのは骨盤の後傾です。腰を丸くして後ろ重心がくるようにしてバランスを取るっていう作戦です。


 ②反り腰+猫背
そしてもう1パターンありまして。反り腰+猫背という形です。背骨には元々「S字カーブ」といわれるカーブがありますが、そのカーブを凄く極端に強くして、頭が前に出てもオッケーなようにするという。そうやってバランスを取ってやろうという作戦もありますよね。


・見た目への悪影響

最後に痛みやら疲れやらの症状はもちろんですが、単純に見た目がよろしくない。美しくない。ということもあげておきましょう。

自分で考えて行動することが大切!

簡易チェック方法


「自分がストレートネックになっているのか、どうやったら簡単に判断できますか?」っていう皆さんの声が聞こえてきます。

病院にいって、レントゲンをとってもらって、頸椎のカーブがなくなりストレートネックになってますね。と言われることが一番確実ではあります。ただ、特に症状もないのにそれだけのために病院へ行かないといけないの!?と感じるでしょう。そこまでしなくても簡易な方法でざっくりとは判別できるので、それを紹介します。

・壁に立つ
・かかと、お尻、肩甲骨を壁につける
・最後に頭の位置を確認

「後頭部が完全に壁から離れている」はもちろん、壁につけようと思えばつくけど、結構しんどかったり、頑張ってつけないといけない場合はストレートネックの可能性が高いと思ってください。


ストレートネックの主な原因

首の筋肉以外の要因


・背骨の不適切な動き

ストレートネックと聞いて、首自体が悪いと感じる方が大半です。でも首自体は悪くないんです。首はそうせざるを得ないのでそうなってるわけであって、首が何か悪さをしてることではありません。上に乗ってる頭が重いので、重い頭が前に行くと首も前に行く。それだけのことで人間の機能としてはいたって正常です。

前に行くのは正常だが、必要のない時にも前に行ってるのが問題でしたね。なぜ戻せなくなるのか。。それは長時間同じ姿勢をとりすぎているため。背骨は同じ姿勢を強要されると、それに対応しようとやりくりします。カーブの強さをかえてでも重心を保つように頑張ります。それを繰り返すことにより、背骨が本来持っているしなやかな動きが失われていくのです。


・背中の筋力不足

ストレートネックの姿勢になると、背中周りが丸くなりずっと伸ばされている状態になります。伸ばされた状態というのは、収縮しないということ。だんだんと使わなくなることにつながります。背中の筋力が衰えてきますよね。

・内側にひねられた腕

腕の向きにも原因があります。パソコンやデスクワークをしていると常に腕を内側にひねり、手のひらを下に向けていますよね?人は元々、そこまで長時間手のひらを下にして生活してきませんでした。今、座った状態で構いませんので、手のひらを上にしたり下に向けたりしてみてください。上に向けると軽く胸が張れますよね?下にすると背中が丸くなり猫背気味になると思います。


生活習慣の影響

ずっとパソコンを使っている、下を向く姿勢での仕事をしている、前かがみの姿勢を長時間している。など、生活の中で取っている姿勢がだんだんと普段の姿勢になっていきます。

そういった仕事をしていても、毎日リセットできていればいい。でも知らず知らずのうちに20年・30年かけて姿勢が形成されていくわけで。積み重ねの怖さを感じますよね。長い年月をかけて完成した姿勢ほど改善するのは難しくなってくるし、時間もかかります。早い段階での対処が良いんですが、じゃぁ早い段階っていつ?それは気づいた時。まさに今。

・スマートフォンやパソコンの長時間使用
・下を向く姿勢の継続
・長時間の前かがみ姿勢

これらの姿勢をこれからもせざるを得ない方は、真逆の姿勢もやりましょう。手の平を上に向けたり、上を向いたり、身体を反らせたり。結構気持ちよいと思います。それを習慣にしていきましょう。

運動による改善方法


姿勢改善のポイント

さて、いよいよ改善方法に入っていきます。まずはリセット。ほぐしたり、呼吸をしたり、ストレッチをして最後にエクササイズという形でやっていきます。

が、その前に。

ストレートネックで頭が前に出てるからと言って、じゃあ押し込みましょうよ。 顎を引いて頭を後ろにしましょうよ。これでは上手く改善できません。意識するポイントが重要です!

胸椎の重要性

胸椎は頚椎の下の部分から腰椎の上までの部分を指します。

胸椎(赤部分)

ここからが非常に重要です。

首を動かすというと、上の写真の緑の部分を動かすとイメージしますよね?頭を前に出したり、後ろに戻したり。顎を上げたり引いたり。

この首の動きを

胸椎(青の×印あたり)を支点にして動かそうとする

ということがカギです。どういうことかと言うと、

首を曲げるなどのすべての首の動きの始まりはこの胸椎(青の×印あたり)

と考えて首を動かすということ。

イメージ的には肩甲骨の間ぐらいから首は動くというイメージを持ってもらうとわかりやすいかと。

肩でも聞いたことありませんか?いわゆる肩の部分で腕を上げたり下げたりするんではなく、「腕は肩甲骨から生えている」と思って腕を上げたり下げたりする。やってみてください。動き方変わってきますよね?肩を意識するのと肩甲骨から腕を上げ下げするのと。


首は肩甲骨の間ぐらいから動かすというイメージを持って動かしましょう。この後のエクササイズの時もこれをしっかりと意識してやってみてください。ずいぶん感覚は違うでしょ?この意識がまずは最重要ポイント!



胸骨筋のほぐし(左上)

まずは呼吸やストレッチの効果を引き出すために、周りをほぐしていきましょう!胸の真ん中にある胸骨を探します。その胸骨から少し外にいくと肋骨が出ています。その肋骨の辺りを押さえてもらって横にマッサージします。実際にストレートネックになってたら、この辺りが確実にかたくなってるので痛いでしょ?ちょっと我慢してほぐしましょう。ちょっとずつ場所変えていって30秒ぐらい。次は上下に動かしていきます。指でなくても、手をグーにしてやってもOK!

リセット呼吸(真ん中上)

次は頭が前に出ていない状態で、ゆっくり呼吸。自分の姿勢をリセットするつもりで、リラックスしましょうね。寝転がったら両腕を肩の位置まであげ、肘は90度曲げて。90度90度の体勢をつくります。膝は立ててもらって大丈夫。

手の甲が床につかなくてもOK。無理につけようとせず、力を抜いてリラックス。ゆっくり鼻から吸って口から吐きましょう。肩甲骨の間ぐらいから首が伸びてる意識で、後頭部と肩甲骨の間の距離をできるだけ長ーくするようなイメージで頭を床に置きましょう。

この姿勢でも腰と床の間にスペースができている反り腰さんは、つま先を立てて隙間を埋めてください。

リラックスして10回ほど呼吸します。

肩甲骨寄せ胸椎ストレッチ(右上)


ほぐしたり、呼吸したりで身体がだいぶリラックスしたところで。胸を開くストレッチ。ゆっくりお尻を上げたら、背中のところで手を組みます。肩甲骨と肩甲骨をぎゅっと寄せます。できるだけ寄せます。

胸がしっかり開く状態になりますね。では、組んだ手をできるだけ足に近づけるように伸ばす伸ばす。胸をしっかり開いて胸のほうが顎に近づいてくる。(※顎が胸に近づいてくるではないですよ)

呼吸は止めずにゆっくりと。鼻から吸って口から吐く。30秒ぐらい続けましょう。 終わったら、仰向けに寝転がってリラックス。脱力します。

背骨の矯正運動(左下)


ここからエクササイズ。背中の筋肉にも刺激を入れていきましょう。

✅うつ伏せで両肘を曲げて地面につく
✅首は肩甲骨の間から生えている意識をもつ
✅背骨を長くたもち、軽く顎を引いた状態をつくる
✅両腕で地面をしっかり押し、上がった状態で3秒間ホールド
✅胸骨を正面に向けるイメージで体を起こす

しっかり地面を押せていると、脇回りもしんどくなってきます。これは負荷をあげていくというよりは回数を増やしていきましょう。姿勢改善の場合は 何度も同じ動きを繰り返すということが大事!身体に覚えこませましょう!ので繰り返してまずは10 回からねえスタートしてみてください

背中の筋肉強化(真ん中下)


さあ次も同じような意識で。

✅うつ伏せで両手前に出して120°くらい開きます
✅同じように首は肩甲骨の間から生えている意識で軽く顎を引く
✅伸ばした手を小さく上にあげましょう
✅頭落ちてこないように状態キープして
✅目線があがってこないように(目線あがると顎あがる)
✅背中の筋肉を意識的に使用する

腕の向きの改善(右下)


最後は内に捻りがちな腕を外に。

✅内旋から外旋への意識的な変更
✅胸を張った状態での腕の上下運動
✅外旋位での腕の使用を意識する
✅手首の運動ではない。肩から回す!

リセットが最重要!


たくさん書いてきましたが、結局はこの言葉に集約されます。

「リセットが最重要!」ほんとに。

いくら仕事中に集中して頭がついつい前にいったとしても、必要のない時はちゃんと正しい位置に戻ればいいんですから。ほったらかしにしてるから、戻ってこれないところまできて、ストレートネックになってる!って焦るわけ。

車と一緒。歯と一緒。まめにチェックしたり、磨いたり。大きな問題になる前に対処することが大事なんですよ。

そのために何をすればいいか?を今回は説明してきました。

特別なことはありません。これを習慣のようにやってもらう。それだけ。

繰り返してるうちに、コレやるほうが楽だなって感じます。そしたらしめたもの。今出ている症状も少しずつ改善していきますよ。良くなった!報告、待ってます!

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