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【noteコンテスト】#はたらいて笑顔になれた瞬間

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2022年3月18日~4月17日まで開催の投稿コンテスト「#はたらいて笑顔になれた瞬間」についての投稿をご紹介するマガジンです。お手本クリエイターの方の記事などもご紹介していきま…
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#言葉

彼女のおなかの虫に感謝した日。

仕事終わりに入った店のカレーは、 いつもよりやけに美味しかった。 そのことを今も覚えている。 『ちょっとした嬉しいこと』は、 食べるものにも 魔法のスパイスをかけてくれるらしい。 ♧ 大学卒業後に就職した職場での話だ。 私はまだ若く、至らないことばかりの日々だった。 そこでのことをここに綴ろうと思う。 ♧ 気の合わない人と仕事をともにすることになった。 さあどうする。 私より二年あとに入社してきた白石さん(仮名)は、 性格も思考回路も物事の好みも 私とはまるで違って

ゆびきりげんまん

昨日は天気も良く春日和だった。 駐車場のポールに繋がれ飼い主さんを待っているいつもの愛くるしいパグの親子も、気持ち良さそうにじゃれ合っていた。 私の勤務しているお店もそのおかげかお客様も多く、朝からずっとてんてこ舞いであった。 私はあるドラッグストアにおいて、登録販売者として勤務している。 お花見や歓迎会などの影響か胃薬などがものすごく売れているので、そのデータを収集し売り場の変更の為パソコンに向かっていた。 「あ、すいません、ちょっといいですか?」 とスタッフが慌て

失ったものを数えもせずに

新年度2日目は出社だった。在宅勤務が中心の生活もまる2年が経ち、予定が無ければ家族以外と話さない日は当たり前になった。それでも、出社をするといつも気持ちが前を向く。 時計の針が20時半を回った頃、ある後輩が別のメンバーに「〇〇さん、ハンバーガー食いたくないですか」と声を掛けた。二つ返事で飛んでくる「いいね」のひと言。「行くしかないな」と続くもう一人の声。最後にぼくも「薫さんもどうですか」と声を掛けられ、「行こうか」と答えた。帰り際だった隣の部署の後輩とエレベーターで乗り合わ