
自己理解からの前進。なりたい自分への軌跡と未来への展望【わたしのキャリアストーリー#02】
パーソルダイバースでは、「障害者雇用を成功させる。そして、その先へ。」をミッションに掲げ、2300人以上の社員が働いています(2023年4月現在)。全社員のうち7割以上が障害のある社員です。
多様性を尊重する組織で異なるバックグラウンドや経験を持つ社員が、どのように活躍し自己成長を遂げているのか、社員のインタビューを通して紹介する企画が”わたしのキャリアストーリー”です。
2回目は、パーソルダイバース 受託サービス第1本部 Staffing受託 第2事業部 に所属するN.M。
当社では、特に活躍が目立った社員を社内MVPとして表彰する制度があります。彼は、「吃音(きつおん)」という障害に向き合いながら、2021年度下期MVPに輝きました。
障害との向き合い方や、はたらく上での工夫、そして将来のキャリアに対する考え方をインタビューしました。
※2023年6月取材当時の内容です。

【プロフィール】N.M(2020年入社)
音楽系の専門学校卒業後、バンド活動をしながらアルバイトを経験。25歳で建築材料を作る工場に就職。就労移行支援や、職業訓練校を経て、2020年1月にパーソルダイバースに入社。
現在はグループ内の業務を受託するチームのサブリーダーとして、配下のメンバーに指示を出したり、相談に乗ったりするほか、受託業務のマニュアル作成などに従事。
吃音の症状とは?
吃音とは、会話でのコミュニケーションに困難さがある発話障害の一つ。
「私には連発(繰り返し)と難発(ブロック)の症状があり、緊張したときに発症する傾向があります。吃音のほかに注意欠陥多動性障害(ADHD)も診断されていますが、現在は薬の効果で比較的症状が落ち着いています。」
吃音症状のある方の9割は先天性の発達性吃音で、残り1割はストレスやケガなどが原因で後天的に発症する獲得性吃音です。
初めての就職先ではミスを多発。診断を受け、環境を変えることを決意。
ーN.Mさんは2020年1月にパーソルダイバースに入社されていますが、それまではどんなことをされていたんですか?
音楽系の専門学校に通い、卒業後も24歳まではバンド活動をしていました。担当はギターとボーカル。
不思議なことに歌うときは吃音が出ないんです。決まった歌詞を口に出すなら問題ないのかもしれません。25歳になったとき「しっかりはたらこう」と思い、バンドを辞めて就職活動をしました。
学生時代のアルバイトは、居酒屋やスーパーでレジ打ちなど、お客さんとコミュニケーションを取る接客業が好きだったんです。
ただ就職となると、吃音が出ることを恐れて、「できるだけ人としゃべらない仕事の方がやっていける。」と思い、建築材料を作る会社に就職して、加工や塗装作業の仕事をしていました。
ー当時はどんなことを考えながら仕事をしていたのですか?
「自分にできることは全力でやろうと、前向きな気持ちで仕事をしていました。一方で作業中にけがをしたり、単純作業でミスをしたりすることが多いので、何か他にも障害があるかもしれないと思い病院を受診したんです。」
そこで初めて、ADHDの診断を受けました。
吃音やADHDといった自分の特性が、はたらきづらさを生み出す要因になっていたことを、そのときに自覚しました。
先天性の特性は変えられませんから、自分を取り巻く環境を変えるしかないと思ったんです。
工場勤務は、危険な仕事も多く医師からやめたほうがよいと助言もあり、自分の特性を受け入れてくれる障害者枠ではたらくことを決心しました。
障害者枠とは
身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳を所持する方だけが応募できる採用枠です。
障害者向け求人の場合、個々の障害・ご状況に応じて、以下の配慮があることが前提となります。
・通院(頻度/時間)の配慮
・特定の業務を避ける等の合理的配慮
・エレベーター・車椅子トイレなどの職場環境整備や、音声パソコン・文字通訳などソフト面の物理的な補助
https://doda.jp/challenge/contents/knowhow/point/index.html#q03
ーなりたい自分に近づくために、職業訓練校と就労移行に通いながら
障害者枠ではたらくための準備を進めるために、必要なスキルを少しでも身に着けたいと思いました。
まずは、職業訓練校に通い、PCスキルを学ぶために半年間通いました。
それまでPCを触ったことがなかった私にとって、職業訓練校での学びは新鮮でした。
クラスメートは30人ほどで、年齢もバラバラ。
毎日同じ人たちと授業を受けることで、自然な交流ができ、学生時代に戻ったような気分で楽しかったです。
情報収集のために、障害者就業・就職支援センターに相談に行きました。
そこでは、就労移行支援事業所への通所を勧められ、職業訓練校に行きながら通所を決意したんです。
障害者就業・生活支援センター
障害者の職業生活における自立を図るため、雇用、保健、福祉、教育等の関係機関との連携の下、障害者の身近な地域において就業面及び生活面における一体的な支援を行い、障害者の雇用の促進及び安定を図ることを目的として、全国に設置されています。
https://www.mhlw.go.jp/content/11704000/001086176.pdf
ー自己理解を深め、前向きな選択への転換:障害(吃音)に向き合って
就労移行支援事業所で自己理解を深めるフレームワークを経験し、自分が考えていた思考が整理され、前向きな選択ができるようになりました。
自分の障害(吃音)は自己コントロールが難しいものです。変えられないことに悩んだり、労力を費やすのはもったいないと気づきました。
自分の障害と向き合い、周りの環境を変えたり、誰かに相談したり、課題を乗り越える方法を学ぶことに意識を向けるようになりました。
障害者枠ではたらくということ
ーパーソルダイバースでは、どんな業務を担当していますか?
現在は、人材派遣の求人内容を専用のシステムに入力する業務を担当しています。10人を超えるチームのサブリーダーとして、メンバーへその日行う業務を割り振りや、質問・相談に答えることで業務取得を促し、納品まで導くことが私の主な役割です。
メンバーに指示を出す側になるので、それまで以上に言葉のコミュニケーションが必要になりますが、
自分の特性を理解しているからこそ、適切な対応策を準備することができるようになりました。
具体的には、普段の業務ではチャットを活用したり、会議など人前で話す際は、事前に自分が話すことをイメージした資料を準備しています。
苦手な言葉を避けて、言いやすい言葉を使うようにしています。
初対面の方には、まずは自分の特性を伝えることや、チームメンバーに改めて自己開示をするなど、相互理解を深め、話しやすい雰囲気を作る工夫を重ねています。
ーどんなときにやりがいを感じますか?
真っ先に思いついたのが、メンバーの成長を実感できたときです。
私のチームは新入社員の受け入れに特化しているので、特定の業務を習得してから、次のチームに配属されます。
入社時の状態を知っているので、配属先での活躍を知ると本当にうれしくなります。自己達成感だけではなく、他の社員の成長に貢献できることが、この仕事をしていて、本当によかった!と思える瞬間です。
パーソルダイバースのいいところ
障害や特性に目を向けるのではなく、個人の強みを活かして活躍できるように、サポートしてくれる環境が何よりもうれしく、モチベーションにつながります。

2年半ぐらい前、サブリーダーの話を上司から打診された際に、「吃音があるから、指導したり人を引っ張っていくような、サブリーダーは向いていない。」と当時の自分は、言ってしまったんです。
それに対して、「君がワクワクする選択はどっちなのか?」と上司に尋ねられ、「サブリーダーを目指したい!」と伝えると、
「何回失敗してもサポートするから、自分自身がワクワクする方向に挑戦しようよ。」と背中を押してくれたんです。
今では周りのメンバーが何かに挑戦するときや、悩んでいるときには、自分が全力でサポートするようにしています。
上司の言葉は、人生の教訓として心に刻まれています。
これからチャレンジしたいこと
以前は、吃音があることで臆病になったり、落ち込んだり、諦めることがありましたが、
多様な人たちが、はたらくパーソルダイバースの中にいると「比べたり隠したりしても仕方がない。むしろこんな自分が活躍することに意味があるのでは」と思うようになったんです。
だからこそ、リーダーを目指して、障害のある後輩たちのキャリアモデルになりたいと思っています。
そして障害の有無に関係なく、自己実現ができる環境や、自分の可能性に気付ける場所を作りたいと考えています。
障害者枠で転職・就職活動をしている方にメッセージ
自分は吃音という障害に悩んだり、どこかで諦めてしまうことがありましたが、今は人に何かを教えたり、伝えたり、相談に乗ったり、することを仕事にしています。
パーソルダイバースには、私の可能性を信じて、背中を押してくれる人がたくさんいます。
あのとき、勇気を出して自分の心がワクワクする方に進んでよかったと思っています。色々な経験を楽しみながら、なりたい自分に近づくように進んでいってほしいと思います。
この記事を読んで、少しでも共感してくださった方がいれば、採用ページものぞいてみてください😊
障害者採用(PCを使用する事務職)
現在首都圏エリアでは品川・池袋・五反田オフィスの採用中!▼
※現在採用が進行中のため、定員に達し次第募集終了となります。
オンライン会社説明会のご案内▼
障害のある方が活躍するパーソルグループお仕事図鑑▼
関連記事▼
特例子会社ではたらくとは?【障害者採用担当者のnote】
パーソルダイバースは「グループ障害者雇用事業」と「対外支援事業」の2つの領域で事業を展開しています。障害者雇用に関する豊富な知見とノウハウを保有し、個人・法人・支援機関・自治体など多様なステークホルダーの皆さまとともに障害者雇用の可能性拡大に努めています。