俵万智さんの歌も物差し
好きな歌人や短歌はびっくりするほど少ないとおっしゃるミルクさんが最も好きだとおっしゃるのが俵万智さんの短歌です。今でもトップを走り続けられているプロと呼べる歌人のお一人です。ミルクさんは、俵万智さんの歌も物差しのようなものだとおっしゃっています。
「ええっ、以外に身近で簡単そうだ。これなら私にも詠めるかも」 という感想が一般的だと思いますが、ミルクさんの感想は、
「これはちょっとたいへん、この境地に辿り着くのは相当な修練がいるかも」だったそうです。
後にミルクさんが口酸っぱく書かれている、「自己愛の悪魔」の誘惑がすでにきれいさっぱりと克服されていたのだそうです。
自分の事を題材にして詠んでいるのに、「自分ごと」では無いように、「自己愛」の影を見せないように、いわば心の中でチューニングされているということでした。
それはスーパースターの超ファインプレーと同じで、一見すると普通の技術にしか見えないもので、そう見せていることも修練の成果や結果だというのです。
だから大方の人は「歌人 俵万智」を勘違いして見ているのだそうです。
私にはまだその「凄み」の全貌は見えず理解も不十分ですが、ミルクさんは「じっくりゆっくり、時間をかけて1首をよく読んで、その1首を巡るストーリーを万智さんに代わってなぞってみて下さい。」と言われました。それから数冊を、ゆっくり時間をかけて読んで考えることにいたしました。
耳あたりも、心触りも軽快で穏やかな歌が続く中で、他の歌人の歌と一体何が違うのだろうと頭をもたげたとき、回答欄にスパーンと嵌まったのはやはりミルクさんの言葉でした。
「自己愛の権化となって自分に纏わり付いている歌」と「絶妙な距離感で自己愛の悪魔を出し抜いている歌」の違いということでした。
でも多分殆どの人はそんなこと解っていないともおっしゃっていました。
私はミルクさんの歌とブログを読んだことで、ほんの少し抗体ができているのかもしれないと思いました。そうでなければこのような奥深く高尚な内容に違和感を憶えることなどできなかったと思います。ブログをバイブルに、もう信者になるくらいの勢いで読んでしまったので、「なんだか違う」という端っこに引っかかることができたのだと思っています。
そこからは、何だか誰もわからなかったクイズの答えを私一人が知っていたような妙な優越感が湧いてきて、ちょっとうれしくなりました。
やっぱりミルクさんのブログを他の人に教えない方がいいのでは・・・・、と思ったりもして。
まあ、圧倒的なマイノリティであることは間違いなさそうなので、もうしばらく広報活動を続けたいと思います。
ミルクさん 短歌のリズムで https://rhythm57577.blog.shinobi.jp/