見出し画像

❏オリンピックと薬剤師

こんにちは、はやとくです。

ついに開会しましたね、東京オリンピック・パラリンピック!
なんやかんやで問題もたくさんありますが、選手の皆さんにはベストを尽くして頑張ってほしいです。応援しています!

ところで、タイトルの「オリンピックと薬剤師」
体育会系ゴリゴリのオリパラ選手
勉強ガリガリの薬剤師。

いっけん真逆で関係なさそうですよね?

実はかなり関係があります!

➤アスリートの悩み

破線オレンジ

アスリートであれば「もっと強くなりたい」「もっと記録を伸ばしたい」という思いは当然あると思います。パフォーマンスの向上のためにはトレーニングをするだけじゃなく、食事管理や健康管理なども必要不可欠です。ですが、すべてを1人でするのはかなり難しいです。

だからアスリートはトレーニングや体を休めることに集中するために、サポートを受けれるようチームを組みます。強豪チームやトップアスリートなら、例えば、食事管理なら管理栄養士、健康管理ならチームドクターなどを付けるところも多いです。

では、小さなチームや学生などの一般的なアスリート、プロではないアスリートはどうでしょうか?

食事管理に関しては家族やマネージャーが協力できる範囲ではありますし、自分でもできなくはないでしょう。

健康管理はどうでしょう?ケガをしたり病気になったら、家族やコーチが診てくれますか?
アスリートにとって、トレーニングができないことは致命傷です。早く復帰し、再発しないようしっかり治すためには、自己判断ではなく専門家の知識や技術が必要です。なので、ちゃんと病院に行って診察・診断してもらって治療を受けることが大切です。

ところが、治療を受けるときに薬が処方されたとします。

「その薬、本当に使って大丈夫ですか?」

スポーツの世界には、使ってはいけない薬が存在します。
つまり、ドーピング行為となる薬があるのです。

処方薬だけじゃありません。市販薬やサプリメントにも禁止された物質が入っていることも。

➤うっかりドーピング

破線オレンジ

「ドーピングなんてトップアスリートの世界の話でしょ?」

本当にそうでしょうか?
世界アンチ・ドーピング規程によると、「競技者の役割及び責務」として自己の摂取物及び使用物に関して責任を負うこととされています。
近年、ドーピングに関してはとても厳しい取り締まりがされています。

ここで問題となっているのが「うっかりドーピング」です。
禁止物質を含む医薬品などをそれとは知らずに病気を治療する目的で服用し、結果的にドーピング違反になってしまうことがあるのです。

うっかりドーピングになってしまう、事例としてよくあるのは

病院で処方された薬
家族やチームメイトからもらった栄養ドリンク
よく効くとすすめられた市販の風邪薬
海外のサプリメント

最近でいうと下記の薬がドーピングの対象になりました。

糖質コルチコイドの口腔内局所使用についての注意喚起
糖質コルチコイドの「口腔内局所使用」は、競技会(時)に禁止されます。「口腔内局所使用」の例として、口腔軟膏、口腔内局所貼付剤などがあります。
(日本アンチ・ドーピング機構(JADA)より抜粋)

つまり、口内炎や口唇炎の治療に使うステロイド系の薬が禁止になりました。これは市販でも売っている薬です。
たかが口内炎の薬でも、ドーピング扱いになってしまい、記録が認められないどころか大会・競技会への出場停止処分なんてこともあります。

アスリートが体を大事に、早く治そうと思って使った薬が。強くなるため、疲労を回復させようと使ったサプリメントが。
まさかのドーピング違反になってしまうことがあります。

一生懸命練習してもムダになってしまう。私もヘボ記録ですが、スポーツをしていたのでわかります。悲しくて、悔しいことです。

一般の病院やクリニックの場合、処方しようとしている薬がドーピングの対象になっていることを知らない医師もいます
食事だけでなく、病院で処方された薬も自分の責任で管理しないといけません。なかなかスポーツしながら薬やサプリメントの1つ1つの成分を調べて、ってかなりむずかしいんです。

➤スポーツファーマシスト

破線オレンジ

繰り返しになりますが、スポーツしながら薬やサプリの1つ1つの成分を調べて、ってかなりむずかしいんです。
禁止物質は更新されていくし、複数の成分を含む薬もあります。海外のサプリメントなんか何書いているかわかないことも。
スポーツにおける薬やサプリメントの使用について、アスリートやサポートする家族・スタッフでは対応できないことが多いです。

そこで、是非知っておいてほしいことは、スポーツファーマシストの存在です。

スポーツファーマシストとは、最新のアンチ・ドーピングに関する知識を持つ、JADAが認定する薬剤師です。アスリートやその家族、サポートスタッフの心強い相談先として全国で活躍しています。

処方薬だけでなく、市販薬からサプリメント、その他健康や体の悩みも相談できます。下記のJADAのページから、全国のスポーツファーマシストを検索することができます。

スポーツとは「世界共通の人類の文化」であり、挑戦すること、相手を尊敬することを学び、年齢・性別・人種を越えた相互理解を育むことができます。そのために、フェアであることが大切です。

ドーピングからアスリートを守りましょう!

➤まとめ

破線オレンジ

スポーツを愛するすべてのアスリート、そのサポーターは、自分のかかりつけスポーツファーマシストを見つけましょう!

いいなと思ったら応援しよう!