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映画『サンセット・サンライズ』 ディスタンスお題話と刺身(ネタバレ感想文)
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東北を舞台にした岩手出身の原作者の作品を宮城出身の脚本家&山形出身の監督で映画化した企画物……なのか?
でもまあ、震災もさることながら、どちらかと言うとコロナ禍物。
ディスタンスお題話と言ってもいい。
てゆーか、コロナ禍の時に久しぶりに「ディスタンス」って言葉を聞いた気がしません?当然『星空のディスタンス』以来。
てゆーか、アイツらいつから THE ALFEE になったのよ?昔はアルフィーだったろうよ。
てゆーか、『星空のディスタンス』や『メリーアン』より『暁のパラダイス・ロード』の方がいい曲だって私は言い続けたんですが、40年も経った今となっては、それがどんな曲だったかすっかり忘れました。何事も風化するんですね。
あ、私のディスタンスお題話はどーでもいいですね。
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主人公二人は「極端なディスタンス」の内見で出会い、最後は再び内見でグッと距離が縮まって終わります。ある意味、ディスタンスからメリーアン Won't You Stay For Me までの物語と言えます(<もういいよ)。
誤解のないように言っときますが、この映画とアルフィーは全く関係がありません。むしろ関係あるのは、敏いとうとハッピー&ブルー(笑)
『青春☆金属バット』(2006年)以来、ご贔屓役者の竹原ピストル本業の喉。この曲でいいのか?
この手の劇中歌唱では『ひゃくはち』(08年)で竹内力が歌う「野風僧」以来の面白さだった。
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すいません、無駄話が過ぎますね。
「距離が縮まる」と書きましたが、正しくは、「適正距離」に収まるまでの物語という気がします。
主人公二人もそうですし、最終的な家族の形も人と人との新しい「適正距離」なのかもしれません。
東京と地方の距離感、民間企業とお役所の距離感、そして井上真央ちゃん演じるモモ(だっけ?)を見守る会の距離感・・・
どうやら人は、なかなか適正な距離感が掴めないようです。
東京と地方ということに関して言うと、映画の中で「刺身」を出すのは客をもてなす際だけなんですよね。地元民の食事は煮魚だったりなめろうだったりする。
刺盛りは最大級の「おもてなし」。一方、東京の大企業の社長は、そんなものは食べ飽きている。なんなら豊洲市場の方がいい魚がある。
私には「刺身」が「ディスタンス」の象徴に見えたんです。
そういや井上真央、演技しながら長回しでなめろうを作ってたな(笑)
菅田将暉は釣りや魚をさばく練習をしたらしいですが、井上真央も役作りでなめろう作りを特訓したのだろうか?
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悪い話ではない(むしろ良い話)ですし、悪い映画でもないんですが、正直、ありきたりで面白くない。
勝手な推測ですが、クドカンが面白がっていることと、監督が面白がってることがずれていたんじゃないかな?
一番笑ったのは「アニエスベー」のくだりだったし、一番の衝撃というか私の距離感がバグったのは池脇千鶴だったし。
エンディングテロップを見るまで、いや、見ても気付かなかった。
(2025.01.20 TOHOシネマズ日本橋にて鑑賞 ★★☆☆☆)