おもちゃメーカー社員、稲刈り初挑戦。お米を収穫して気づいた「つながり」
みなさまどうも!
私、おもちゃメーカーピープル株式会社にて、”ピープル農場”プロモーション担当大臣を務めております、入社3年目の社員です。
こちらのnoteでは、おもちゃメーカーであるピープルの田んぼ”ピープル農場”に関する情報を発信しております!
前回の記事では”ピープル農場”での田植えの様子をお伝えしました!
そして今回は”ピープル農場”で行われた稲刈りの模様をお届けしますが、
この度私体調不良で現地に行けず、、
ということで、今回は田植えにも参加したピープル入社10年目の先輩ママ社員がお届けします!
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早速ですがみなさん、「お米のおもちゃ」という商品をご存じでしょうか。
なんでもなめちゃう赤ちゃんのために、お米由来のバイオマスプラスチックから作られた、安心してお口に入れて遊ぶことができるおもちゃです。
その材料となるお米の一部を、新潟県南魚沼市に田んぼを借りて育てています。
お米の収穫は、自然・人々・世界のつながりを実感する、期待以上の学びがある体験でした。
田植えから3ヶ月、稲刈りの時期がやってきた
5月に行った田植えからあっという間に3ヶ月が経過。
雨が続いた影響でごくごくと水を吸収した2022年のピープル農場の稲は、例年より少し早く、8月の最終日に稲刈りを行うことになりました。
稲刈りは9月のイベントだとばかり思いこんでいた私たちは、突然のご案内にびっくり!
この田んぼの稲刈りの日程は、農家さんが自由に決めるのではなく、農協が決める期間の中で行うそうです。
かつ、雨の日は稲刈りできないため、決められた期間の天気の良い日という限られた日しか行うことができません。
当日の天気予報は晴れのち雨。なんとか決行できることになりひと安心。
前日にあわてて購入したぴかぴかの長靴を携え、久々のピープル農場訪問です。
むわっとした湿度がうっとうしい東京駅から上越新幹線で1時間30分。
新幹線を降りるなり、思わず深呼吸。
新潟県南魚沼市の空気は、8月でもすっきり澄んだ気持ちの良いものでした。
ピープル農場一面に黄金色に輝く稲穂!と思いきや
写真では見ていたものの、植えた時には緑の細い苗だった稲が、ふさふさの黄金色に成長している姿を目の当たりにして感動です。
久しぶりに会った子どもが大きくなっているのを見るのと少し近い感覚かもしれません。
田んぼをよく見渡してみると、5月に私たちが手で植えた一角だけ、なんだか緑色が強いようす。どうやら育ちが遅いみたい、、、
※他は田植え機で植えていただきました
素人の手植えはこんなに成長を阻害してしまうの?と疑問に思い、農家さんにお話を伺うと、実は田植え機に、稲がよく育つ秘密がありました。
ピープル農場で使っている田植え機は、苗を植えるのと同時に肥料を撒いており、そうすることで苗の根元に肥料が定着し、しっかりと栄養を与えられるのです。
手植えの場合、植えた後に肥料を撒きますが、後からまくと田んぼの水で肥料が流れやすいため、このような差が出たのだろう、とのこと。
しかも田植え機なら、肥料と一緒に除草剤や殺虫剤などの薬剤もまとめて撒けるそう。
機械化による農業の進化を実感です。
とはいえ、心を込めて体を動かして、ひとつひとつ手で植えた稲への愛着は機械植えに代えられないものがあり、思わず手植えの稲を応援したい気持ちになります。
手がかかる子ほどかわいいとはこのことか。がんばって育っておくれ。
手植えの苗だけは、もう少し育ててから収穫していただくことになりました。
おもちゃメーカー社員、はじめて稲を刈る
そして、いざ、稲刈りに挑戦。
はじめて手にする鎌に、ドキドキ、ワクワク。
日頃子どもの様子を見ていると、<はじめての体験>に心が動かされていることが多々あります。
大人になると、ワクワクする<はじめて>に巡り合うことも減り、子どもをちょっとうらやましく思っていましたが、鎌を握った時、とても久しぶりにこの感覚を味わいました。
農家さんのレクチャーを受け、稲をひと株まとめて握って、鎌を引いてざくっ。
握ってざくっ、握ってざくっ、を繰り返します。
細い稲も、束になるとけっこう刈るのに力がいるものです。
コツをつかむまで、のこぎりのようにギコギコ引いてみたり、角度を変えてみたり、試行錯誤。
夏の日差しを背中にじりじりと受けながら、ひたすら稲を刈ります。
田植え機で植えた稲でも、それぞれ育ち方が違い、ひと株ひと株太さが違うのを握るたびに感じます。
色もそれぞれ少しずつ違って、中には茎に虫のたまごがついたものも。
個性が感じられて、生き物なんだなあと思いました。人間と同じですね。
今でこそ機械刈りが主流ですが、昔の日本の農家の家族は、幼子を背負いながらこの作業をしていたのだなあと思うと、当時の父ちゃん母ちゃんの体力に驚愕です。
現代人は体が弱くなっているんだな、、、
稲刈り中はずっと「指、気を付けてね~!」とお声かけいただきました。
鎌でうっかり指を切ってしまうのは農家出身者あるあるのようで、小5の時切った跡がまだ残っているんだよ~と見せてくれた方も。
お声かけのおかげで我々の指はなんとか守られました。
田んぼに住む生き物との出会い、秋
「あっ、カニがいました!」
なんと刈り進めるうちにサワガニに遭遇。
カニは珍しいようで農家さんもびっくり。みんな手を止めてしばし観察。
他にも、背中にイナゴがくっついてきたり、傍らの池にはいろんな色のトンボが飛び回っていたり。
田植えの時期とは違う生き物たちに出会えて、ここからも季節の移り変わりを感じました。
また、田んぼの隣は山なのですが、「サルの声が聞こえたよ」という声も。
この日は出てきませんでしたが、稲刈りをしていると、田んぼの中からタヌキが出てくることもあるそうです。
お米はさまざまな生きものたちに囲まれて育つんですね。
はじめての稲刈りの結果は
そして刈ること1時間。
これしか刈れませんでした!
ピープル社員2人でがんばりましたが、時間の都合でタイムアップです。
もっと刈りたい気持ちと、疲労で休みたい気持ちと、半々の複雑な気持ちでした。
残りは後日、稲刈り機にお任せすることに。
ちなみに私たちが1時間かけて刈った範囲なら、機械は十数秒で刈れるそうです、、、
機械化万歳。
農家さんに聞く、初耳だらけの米作り事情
この稲刈り機にしても、田植え機にしても、農業機械は超高級品で、その額なんとマンションが買えるほど。
こちらでは3件の農家さんで共有しているそうですが、莫大な投資が必要なんですね。
そしてこれらの機械を動かすには、原油が必要。だから、原油価格の高騰が、米を作る費用にも大きく影響するそうです。
お米と原油の関連性に想像が及んでいなかったので、驚きました。
いくら原油高でも毎日食べるお米の値段は上げることができず、厳しい状況だそう。
このピープル農場のお米は、お米のおもちゃの材料になる、いわばおもちゃ専用米です。
「新潟次郎」という資源米の品種で、水分が少なく味は劣るものの、米粒がたくさん実り、あまり手をかけずに育ってくれる特長があります。
米の消費量が減る中で、こういった資源になるお米は、食用米と別の収入になり、農家さんが米作りを続けるための新たな支えになります。
「たくさん使ってくださいね!」と、農家さんから熱いメッセージも頂きました。
収穫した稲は、お米とそれ以外に分けます。
お米以外の茎や葉は、土に混ぜ込むことで、来年の稲の栄養となるそうです。
農業の中では、自然とリサイクルができているんですね。
おもちゃメーカー社員が米作りから感じた、つながり
田植え、稲刈りと体験してみて感じたのは、お米のおもちゃって、本当にていねいに、手間をかけてつくられているなあということ。
米作りは機械化が進んでいるとはいえ、相手にするのは自然。
毎年、毎日違う天気で、稲の状態もそれぞれ個性があり、時には雑草や害虫の邪魔が入ることも。
その場に応じて対処が必要ですし、スケジュールも一定にはいきません。
どうしてあげるのがベストか、その都度考え考え育てられています。
さらに米を収穫してからおもちゃになるまでも、お米は水分量や粒の大きさが一定ではないため、バイオマスプラスチックにする過程でも、おもちゃの形に成型する過程でも、細かい調整を重ねて作っています。
天然素材を使用することでの手間は多く、人の頭と手をたくさん使います。
作り手の苦労を重ねながら、手から手へと渡った末におもちゃとなり、子どもたちに安心、安全できる遊びを届けられているんだなあ、と改めて実感し、「お米のおもちゃ」の商品性により自信を持つことができました。
米作りを通した自然とのふれあいは、日頃東京で過ごす私にとってはとても新鮮で、体は疲れても、心はリフレッシュできる体験でした。
毎日何の気なしに食べているお米が育つまで、実はいろいろな生き物が傍にいることを体感し、食事の時、ふと食材が育った自然に思いを巡らせるようになりました。
そして、農業を体験しながらもテクノロジーの進化を実感したり、エネルギー問題との関連性に気づけたりと、世界ってつながっているんだな、ということを再認識できました。
こういった<つながり>に気づいたことで、日頃流し見ていたニュースの捉え方に変化がありました。
「このニュースは、もしかして私の生活にも巡り巡って影響があるのでは」、とつながりを想像し、自分ゴト化しやすくなったのです。
この意識の変化は、「SDGsの目標12:つくる責任、つかう責任」に取り組むための、重要な一歩となったと感じています。
これからの夢
たくさんの学びがあった、この“米作りから始めるお米のおもちゃ作り体験”。
いつかは、お米のおもちゃユーザーのみなさんにも体験してもらえるといいなと考えています。
これから生まれてくる大切な子のために、原料のお米から心を込めて手作りしたおもちゃを贈ることができたら素敵かも!
子どもたちが田んぼとそのまわりの自然にふれあえる機会をつくって、「ここからおもちゃもつくっているんだよ」と伝えられたら面白そう!
などなど、楽しいことができないか、夢を膨らませています。
実現のために、お米のおもちゃをたくさんの赤ちゃんに届け続けられるよう、がんばります!
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