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怪談えほん 読書感想文

文字が読めるようになってきたワンパクな姪っ子に夏のプレゼントにしようと買って来たはいいが、旦那と「これはあかん、、、親子共々トラウマになってしまう、、、」と家族会議の末にボツになったっきり我が家に住んでいる怪談えほん、第1期(東雅夫さん編)。

5冊セットになっていて、顔ぶれがやばい。そして、ノーツが全力でやばい。トラウマ怪談絵本って、、、、

①悪い本
宮部みゆきと吉田尚令のこの世で一番悪い本
宮部みゆき 作
吉田尚令 絵

②マイマイとナイナイ
皆川博子と宇野亜喜良の美しくて怖い物語
皆川博子 作
宇野亜喜良 絵

③いるの いないの
京極夏彦と町田尚子が描く空間の「こわさ」
京極夏彦 作
町田尚子 絵

④ゆうれいのまち
ホラー小説界と絵本界の新鋭が贈る怪奇絵本
恒川光太郎 作
大畑いくの 絵

⑤ちょうつがい きいきい
加門七海と軽部武宏が描くトラウマ怪談絵本
加門七海 作
軽部武宏 絵

これ、面白いのが、多分、大人が怖いと思うランキングと、子供が怖いと思うランキングが違います。バラで買うことを検討している人もいると思うので、私が勝手に思う大人/子供別怖いグランプリを選んでしまう。

大人が怖いNO1:悪い本

これは多分、書評レビューにも一番「こええ!」って取り上げられているのではないでしょうか。世の中経験が豊富な大人の方が「意味がわかるから怖い」っていう本。子供は読んでもまだポカンとする子もいるんじゃないかと思う。

が、逆に言うと、大人になっていく過程でだんだん意味がわかって怖くなってくる本って、、、、それこそヤバくないか、、、、。

くまのぬいぐるみの存在感が怖すぎる。くまのぬいぐるみを買うきが失せる。ちなみに思い出しだくない震えるくだりはこれ。

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あなたは なにかを きらいになります
なにかが なくなればいいと おもいます

かならず
かならず


行間がもう怖いし。

子供が怖いNO1:マイマイとナイナイ

これは、ナチュラルに話がエグい。いや、ファンタジー度合いが強いので、大人になるとそんなに怖くないのですが、子供の頃にこれを見るとかなりシンドイ気分になるのじゃなかろうかと。私だったら間違いなくトラウマってた。

ほら。子供の頃って、勧善懲悪的な話を多く読む(と言うか絵本はそっちが多いのでは)じゃないですか。この本の路線は「自分は悪くないのに悪いものに被弾してしまい取り返しのつかないことになる、そして誰も助けてくれない」という、完全にファンタジーなんだけど、起きてることは世の中で起こることもあるやつみたいな流れがあって。

読んでいくうちに、なんとも言えない不安にかられる。
え。え。これ、こう言う展開は、お話の中だけの話だよね???って言う。が、そんな気持ちを打ち砕く震える1行があって。

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ねえ、きみ、
たすけてやって。


本から話しかけられるーーーーーーー泣
心のどこかで「この話は本の中」って思っていたところが、急にこの1行で本の中とリアルが繋がった感が出る。作者の追い込み方が容赦ない、、、。
子供の頃に読んでいたら間違いなくカタツムリがきらいなものに追加された気がします。

大人も子供も怖いNO1:いるの いないの

これはもうね、正面から勝負してる怖さのやつ。文もさながら、素朴な絵が逆にリアルに怖さを出してくる。ページと文字の配置が怖くて、仕掛け絵本のようなめくることでの怖さ、驚き、みたいな仕立てになってるのもすごい。

これはもう、普通に読んで震えて欲しい。
なんなら、ばあちゃんの家に帰省して読んで欲しい。

ちなみに、トラウマる1行はこちら

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「みたらこわいさ」

読んでないとわからないと思われますが、ここで
「うあああああー!ばあちゃん、やっぱそう言うこと!?」ってなる。
この1行があるから、次のページが最高に怖い。

ちなみに、この怪談えほんが好きな大人は絶対、綾辻行人先生の深泥丘奇談が好きだと思います。オススメです。


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